ローカル5Gで高精細なオンボート映像をリアルタイム伝送
具体的には、入場ゲートや売店など、人が密集するエリアにローカル5Gを構築し、スムーズな入場手続きやキャッシュレス決済、来場者が使用するスマホの通信品質改善を実現したいとした。
また、レーシングコース内に不感地帯が発生しないようなローカル5Gネットワークの設計を行い、高精細なオンボード映像のリアルタイム配信や、ハンドオーバーのシームレス化に取り組む。
なお、モビリティリゾートもてぎでは、5Gコアと基地局の接続に光ケーブルを用いているが、「環境によって物理線を整備できない場合を想定し、ミリ波帯無線システムを用いた無線接続に関する検討も行っていく」と同センター テクノロジー部門 中山章太氏は語った。
(左から)モビリティリゾートもてぎに設置されたローカル5G基地局、5Gコア
今回の取材会では、レースカーに設置したカメラの映像を、ローカル5Gを用いて中央監視室のモニターにリアルタイム伝送するデモが行われた。
レースカーに設置されたカメラ
モバイル網を活用する場合と比べ、ハンドオーバー時の映像の途切れやフリーズが少なく、低遅延かつ高画質な映像伝送が行えることを確認した。
ローカル5Gを用いたオンボード映像伝送
将来的には、ドローンを飛ばすエリアやモバイル利用者の増減が激しい場所など、サーキット場以外にもローカル5Gを展開することを計画しているという。そのほか、「360度カメラによる映像配信や、コクピットのエンジン音に包まれるような体験、オイルや焦げたブレーキパッドの匂いを嗅ぎたい人もいるかもしれない」と同部門 担当課長の里和勇人氏。観客への高品質な音声配信や嗅覚に訴えるコンテンツの提供等も検討中だ。