KDDIは2024年12月24日、スタートアップと大企業などによる宇宙事業の共創や、宇宙技術を活用した地上の課題解決を目指すプログラム「MUGENLABO UNIVERSE」の第一弾の支援対象を採択したことを発表した。
採択されたのは、スペースデータとギャラクシーズのスタートアップ2社による宇宙の物理現象をデジタル空間上に再現する技術の共同開発・事業化の取り組み。この取り組みでは、スペースデータが開発する「バーチャル国際宇宙ステーション(ISS)」や「太陽系デジタルツイン」と、ギャラクシーズが保有する物理シミュレーション技術を統合し、宇宙環境や物理現象を高精度に再現するという。
KDDIは「MUGENLABO UNIVERSE」の第一弾支援対象としてスペースデータとギャラクシーズの取り組みを採択(画像はスペースデータのプレスリリースより)
スペースデータはゲームやエンターテインメント、教育等での利活用を想定し、バーチャル国際宇宙ステーションを2024年11月よりPCゲームプラットフォーム「Steam」で全世界に無償配付している。シミュレーション環境を全世界に提供することで、宇宙産業への参加ハードルを大幅に下げ、さまざまな産業の宇宙事業への参入促進を目指す。
KDDIはMUGENLABO UNIVERSEを通じ、この取り組みによって構築されるシミュレーション環境の利用者の拡大や物理現象の計算に利用するコンピュータリソースを提供するほか、取り組みの事業化に対する経済的な支援なども行う。
「MUGENLABO UNIVERSE」プログラム概要
MUGENLABO UNIVERSEは2024年5月に開始が発表された(参考記事)。同プログラムは大企業等とスターアップの連携・共同によるイノベーション創出を目指す東京都の事業「TIB CATAPULT」を活用し、スタートアップの事業成長と企業価値向上に対する支援をより強化するとしている。