カナダ・ブリッジウォーター社のキャリア向けソリューション顧客中心のサービスコントロールでCS向上

パーソナライゼーションがクローズアップされるなか、加ブリッジウォーター社が日本に上陸した。サブスクライバーセントリックなサービス制御を実現する同社ソリューションに注目が集まっている。

近年、通信事業者、特に携帯電話事業者の間で関心が高まっているのが、サービスのパーソナライゼーション(個別化)だ。

加入者の登録情報や蓄積された行動履歴などに基づき、ユーザー毎にカスタマイズされたサービスを提供するもので、NTTドコモの「iコンシェル」がその典型。顧客満足度(CS)のいっそうの向上、さらには新たな収益源を生み出す可能性を持つものとして期待を集めている。

ところで、iコンシェルは個々のユーザーに合わせた情報サービスを提供するものだが、パーソナライゼーションの対象となり得るのは、何も情報の中身(コンテンツ)だけにはとどまらない。他にもパーソナライズできる要素はあるはずだ。実際、海外では、ネットワークリソースの割り当てや通信料金などをユーザー毎にカスタマイズして提供するサービスがすでに始まっている。

こうしたパーソナライゼーションを柔軟に実現するためのソリューションを展開しているのが、カナダのオタワ市に本拠を置くブリッジウォーターシステムズである。同社が掲げるコンセプトは「サブスクライバーセントリック(加入者中心)なサービスコントロール」。今年10月にIT商社のマクニカネットワークスと提携し、今から日本でのビジネスを本格化させる。

加入者情報を集中管理

ブリッジウォーターは、通信事業者向けAAAサーバーとPCRF(Policy and Charging Rules Function)で高い実績を持つ企業で、世界30カ国120社の通信事業者を顧客に持つ。

AAAサーバーとは、通信事業者などのIPネットワークにおい
て認証(Authentication)・認可(Authorization)・課金(Accounting)の機能を担うもの。簡単にいえば、正しいユーザーか認証し、どのサービスを利用できるかを認可し、どれくらいサービスを使ったかを課金するものである。また、PCRFはIMSを構成する要素の1つで、QoS制御のポリシーと課金ルールを担当している。

同社製品の特徴は、こうした標準的な機能を備えるだけでなく、パーソナライゼーションのための基盤にもなることである。ブリッジウォーターのAAAサーバーは前述の認証・認可・課金に加えて、複数のデータベースに分散する加入者情報を集中管理する機能と、サービス制御のポリシー設定とそれを実行する機能を備えている。さらに、IMSベースのネットワークのポリシー制御と課金を担うPCRFと連動することで、IMSサービスのパーソナライゼーションも可能にしている。加入者に関するさまざまな情報を活用し、文字通り「加入者中心」のサービスコントロールを実現できるのである。

図表 サブスクライバーセントリックなサービスコントロールのイメージ

月刊テレコミュニケーション2009年11月号から転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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