「無人受付システム」導入ガイド[前編]――“人気上昇中”の理由とは?

最近、目にする機会が増えている「無人受付システム」。受付業務の効率化や自社のイメージアップ、セキュリティ向上などを目的に導入する企業が相次いでいるためだ。無人受付システムにはどんな機能やメリットがあり、どう選べばいいのか――。まずは基礎知識編をお届けする。

堅調な伸びを示す無人受付システム市場

無人受付システムの市場規模は不明だが、関係者の話を聞くかぎりでは、世の中の景気動向とはあまり関係なく、ここ10年の間、堅調に推移してきたようだ。日本電通の新庄正彦氏は、「市場は拡大傾向にある」と話す。

ただ意外にも、これまで有人受付を設置してきた企業が、人件費などのコスト削減のために無人受付システムに切り替えるケースはほとんどないという。「ユーザーの大半は従来から受付に誰もいなかった企業だ。すでに有人受付が設置されている企業の場合、バックアップ役として無人受付システムが導入されるケースが多い」(新庄氏)。

日本電通 理事 情報通信ビジネス本部 副本部長 兼 事業開発部 部長 兼 経営企画本部 技術開発・支援部 部長 新庄正彦氏
日本電通 理事 情報通信ビジネス本部 副本部長 兼 事業開発部 部長 兼 経営企画本部 技術開発・支援部 部長 新庄正彦氏

また、ネイクスの升田直宏氏も、「当社の販売実績はリーマンショックなどの影響を受けることなく、この10年コンスタントに伸び続けている」とコメントしている。

ネイクス 営業部 営業課 升田直宏氏
ネイクス 営業部 営業課 升田直宏氏

無人受付システムに対する需要は、今後も拡大していくと予想される。その理由としては、受付での取次業務の複雑化を挙げることができる。

最近のオフィスでは、自分の席が日々変わるようなフリーアドレスが採用されていたり、モバイルワーク/テレワークが普及したりと、社員のワークスタイル並びに実際の居場所が実に多様化している。そのため、部門代表で誰かが受けて実際の担当者に取り次ぐという従来の取次形態を維持していくことが困難になってきたのだ。

一方、無人受付システムは監視カメラや自動ドアなどの外部システムとの連携機能も次々と追加され、セキュリティ対策の関連製品として紹介される機会も出てきている。

こうした状況から、多様化する取次業務を自動化することで速やかな来訪者対応が可能で、しかもセキュリティとの連携も実現されている無人受付システムの導入企業は着実に増えていくものと見られる。

無人受付システムの導入メリット

製品化がスタートしておよそ10年が経過したが、この間、いろいろな機能が追加されるようになり、その利便性は著しく向上している。ここで、現時点での導入メリットを整理すると次のようになる。

・部門内で専門に取次業務を行う人間を割り当てる必要がなくなる
・取次のミス・無駄がなくなる
・来訪者は速やかに訪問先とコンタクトできる
・会社のエントランスの雰囲気が向上する
・監視カメラや自動ドアなどとの連携機能により、セキュリティ強化にも役立つ
・待受画面に広告やイベント情報などを流すことも可能なので、販促効果を期待できる

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(提供:日本電通)

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