ソラコムが「iSIM」を商用化、搭載モジュールを提供開始

ソラコムは2024年10月30日、次世代SIMテクノロジーである「iSIM(Integrated SIM)」を、データ通信サービス「SORACOM Air for セルラー」に対応するカード型SIM、チップ型SIM(Embedded SIM、eSIM)に次ぐ第3の形状のSIMとして商用提供を開始すると発表した。あわせて、2種類のiSIM搭載セルラー通信モジュールを同日より提供する。

第3の形状のSIM「iSIM」

第3の形状のSIM「iSIM」

iSIMは、従来は別々に存在していた通信モジュールとSIMの機能を、1枚のチップ(SoC)に統合した技術。IoTデバイスの設計が簡素化され、小型・軽量化、省電力化が実現する。また、通信モジュールとSIMがワンストップになることで、デバイスの製造から販売のライフサイクルにおいて、部品調達や物流、保管コストを削減、環境負荷の低減も期待される。

iSIMは、通信モジュールとSIMの機能を1枚のチップに統合する

iSIMは、通信モジュールとSIMの機能を1枚のチップに統合する

iSIMの商用化にあたり、ソラコムは2021年7月より、セルラーIoT向けチップセットを開発するSony Semiconductor Israel、セルラーIoTデバイスにセキュアな認証情報を提供する「Kigen セキュアiSIMオペレーティングシステム」開発及び供給元のKigenと共同でiSIMの商用利用を検証し、IoTプラットフォームSORACOMを他種のSIM形状と同様に統合的に管理できるように進化させてきた。

このたび、正式にSORACOMのプラットフォームがiSIMに対応したことを発表し、搭載モジュール(量産向け)と評価ボードの提供を開始する。

iSIM対応モジュールとして、Quectel Wireless Solutionsの「BG773A-GL」と、村田製作所の「Type 1SC」の2種類が提供される。これらのモジュールには、グローバルに対応した通信プラン「plan01s」がプリインストールされており、1枚のSIMとソラコムとの契約のみで、世界中のセルラーネットワークをシームレスに利用することが可能だ。

これらのモジュールは、SORACOMの「サブスクリプションコンテナ」機能を活用して、OTAでサブスクリプション「planX3」を追加することができる。このplanX3は、LPWAN通信(LTE-M、NB-IoT)向けに最適化されており、IoTデバイスの利用シーンに応じた柔軟な対応が可能。また、従来のSORACOM IoT SIM同様に、IoTプラットフォームSORACOMの回線管理やデバイス管理、クラウド連携、データ収集など、IoTシステムの構築や運用をサポートするサービスも利用できる。

さらに、iSIMの搭載を検討している方には、iSIMモジュールを基板に実装することなく、スムーズに評価や検証を進めるための評価ボードキットも用意している。

 

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