「楽天モバイルは個人のお客様に数多くご利用いただいていますが、現在は全社的に法人向けサービスにも力を入れています」。こう語るのは、今年1月に法人向けネットワークサービスの提供を開始した楽天モバイル エンタープライズソリューションビジネス本部 ネットワークソリューション課の小泉諒二氏だ。
なかでもユーザー企業から定評があるのが、インターネット接続サービス「KŌSOKU Access」である(図表1)。
図表1 KŌSOKU Accessの概要
KŌSOKU Accessの最大の特徴は、その名前の通り「高速通信」だ。KŌSOKU Accessは、顧客ごとに専用回線を敷設することが可能で、通常の回線と比較しても高速な通信速度を担保できるため、大企業のオフィスや客室数の多いホテルなどで好評を得ているという。
データ通信量が増加する昨今において、安定した通信を求められるビジネスシーンでも、KŌSOKU Accessのようなサービスが必要になる。
また、高度なパケット転送技術「Segment Routing IPv6(SRv6)」を適用。パケットに転送経路のパス情報を持った「セグメントID」を付与することで、宛先と経路を指定できる技術だ。
経路上のルーターがパス情報を持たなくて済むため、ネットワークの設計・運用をシンプル化できるうえ、「障害が発生した際にはルート切り替えを自動で行い、目的地までトラフィックを届けることが可能になります」と小泉氏は説明する。
その料金体系にも目を見張る。ベストエフォート型の「Standardプラン」は1Gbpsと10Gbpsの2種類を揃え、1Gbpsは月額1万9580円、10Gbpsは月額14万9600円(いずれも税込)(※1)。「他社の専有型サービスと比べて、かなりお安く提供させていただいています」と小泉氏はアピールする。2年間利用すれば、初期費用と基本工事費用も実質無料になる。
※1 別途契約事務手数料3000円(税込3300円)必要。最低利用期間はサービス開始月から13カ月目の月末まで。最低利用期間内の解約の場合、残月数分の月額料金を一括で請求。
今年8月には、300Mbps/1Gbpsの帯域幅を確保する「Premiumプラン」の提供もスタート。顧客の通信状況を楽天モバイルが定期監視し、確保帯域を下回った際には専用線を増強する等の対応を行う(※2)。24時間365日の保守体制も整える。
※2 本サービスは、契約時に定めた速度を保証する帯域保証サービスとは異なります。
また、回線サービスによっては展開エリアが限られているケースも少なくないが、KŌSOKU Accessは一部エリアを除く全国ほぼすべての地域で利用可能だ。そのため、社内のネットワークを介さずに直接インターネットに接続するローカルブレイクアウト(LBO)の足回り回線や、セキュリティとネットワークサービスをクラウド上で一体化するSASEでの採用も増えているという。