DXの基盤となる「分散型ID」をDNPが解説 本格実装は2026年から

大日本印刷(DNP)は2024年9月19日、「分散型ID」に関するメディア向け勉強会を開催した。訪日観光客向けのデジタル証明や外国人就労者の検証などが分散型IDの主なユースケースで、2026年に本格的な社会実装が始まっていくとDNPは予想している。

「生成AIの登場により、偽画像や正しくない消費者レビューなどが出回っている。データを収集・整備して可視化し、サービスを最適化するというのがDXの基本だが、データそのものが信頼できない形になっており、DXの根幹が揺らいでいる」。大日本印刷(DNP) ABセンター 事業開発ユニット事業開発部第3グループの岡本凛太郎氏は、2024年9月19日に開催したメディア向け勉強会でこう警鐘を鳴らした。

DNP ABセンター 事業開発ユニット事業開発部第3グループ 岡本凛太郎氏

DNP ABセンター 事業開発ユニット事業開発部第3グループ 岡本凛太郎氏

この問題を解決しうる技術が、分散型IDである。分散型IDとは、中央集権的なID発行者に依存せず、ブロックチェーンなどの技術を活用して個人が自身のIDを証明・管理できる仕組みだ。

分散型IDのコア技術となるのが、Web技術の標準化団体であるW3C(World Wide Web Consortium)によって標準化された「Verifiable Credentials(VCs)」だ。オンライン上で検証できるデジタルな個人情報を指し、例えばスマホを介して運転免許証や有資格証明書の提示ができるようになる。

Verifiable Credentialsの概要

Verifiable Credentialsの概要

岡本氏によると、分散型IDの取り組みは欧米が進んでいるという。欧州内の電子認証を利用するための規則「eIDAS」が2021年に改正され、EU加盟国に対し、スマホ等で自らの身元を証明できる「デジタルIDウォレット」の提供を義務付けることが盛り込まれた。米カリフォルニア州自動車局(Department of Motor Vehicles)は、顔認証機能を含むmDL(デジタル運転免許証)アプリに関する実証を行っている。

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