IDC Japanは2024年8月23日、国内法人インターネット接続サービス市場の地域別/速度別予測を発表した。同市場の大部分を占める「ベストエフォート」タイプにおいて、2023年は1Gbps超のエンドユーザー支出額が80億9200万円、前年比成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)が11.9%となった。
国内法人インターネット接続サービス(ベストエフォート)市場 速度別 支出額予測
今回の予測では、同市場を「ベストエフォート」と「帯域確保」の2つのタイプに分けて分析している。
「ベストエフォート」に関しては、サービスプロバイダーが2023年から2024年にかけて、10Gbpsサービスを始めとする1Gbpsを超えるサービスの拡充や提供エリアの拡大を中心に事業展開を加速しており、インターネットトラフィックの増加による帯域逼迫を課題とする企業では、1Gbps超のサービスを積極的に検討、採用する傾向が見られるという。
このような動きを背景に、1Gbps以下のサービスがベストエフォートの支出額の大部分を占めつつも、2023年~2028年の年間平均成長率は1.8%に留まった。代わりに1Gbps超のサービスの需要が市場拡大を牽引するとIDC Japanはみており、1Gbps超のサービスにおける2028年の支出額を126億9200万円、2023年~2028年のCAGRを9.4%と予測した。
「帯域確保」では、GIGAスクール構想の進展に伴い、学校ネットワークをベストエフォート型サービスから帯域確保型サービスに移行するケースが出ており、新たな市場機会となっていると指摘している。