NTT東が立ち上げた睡眠ビジネスコミュニティが2周年、参画企業は150を突破

スリープテック事業を手掛けるNTT東日本とNTTDXパートナーが2022年に立ち上げた企業間コミュニティ「ZAKONE(ザコネ)」が2周年を迎えた。異業種コラボによる睡眠市場の拡大を狙った同コミュニティの参画企業は152に到達。今後は、健康経営に取り組む企業や自治体といったユーザー側にも門戸を広げ、「スリープテック経済圏」のさらなる拡大を目指すという。

“不眠大国”日本の睡眠課題を企業共創によって解決する――。

この目的を掲げて2022年9月に発足した企業間コミュニティが「ZAKONE」だ(参考記事)。

同年6月から、IoTやAI等のデジタル技術を活用して睡眠の状態を可視化し、睡眠の課題を解消するスリープテック事業を開始していたNTT東日本とその子会社のNTT DXパートナーが発起人となって設立。第一生命保険やエステー、長谷工グループなど14社でスタートしたが、1年で68社、そして2年で152社に拡大した。

ZAKONE参画企業の推移

ZAKONE参画企業の推移

NTT東日本で「ZAKONE」コミュニティ運用担当を務める佐々木翠氏によれば、当初の狙い通り、スリープテックを活用した製品/サービスの提供企業に留まらず、幅広い業種へとコミュニティが広がっているという。「起きている時間の行動も、睡眠の質に関与している。睡眠をサポートするだけでなく、快眠体験ができる場所を提供したり、快眠に向けた啓発を行う」企業も加入していると説明した。

スリープテック事業マーケティング PR担当 「ZAKONE」コミュニティ運用担当 佐々木翠氏

NTT東日本 スリープテック事業マーケティング PR担当 「ZAKONE」コミュニティ運用担当の佐々木翠氏

長谷工とエステー、NTT東で「快眠のための家」プロジェクト

ZAKONE内でのビジネスマッチングもこの2年で100を超えており、2024年8月22日に行われた発表会では、共創事業の一例が紹介された。長谷工グループとエステー、NTT東日本が手掛けた「快眠のための家」プロジェクトだ。

快眠のための家プロジェクトの概要

快眠のための家プロジェクトの概要

フルリノベーションした賃貸マンションに、ZAKONE参画企業が提供する製品/サービスを集めて快眠に特化した部屋を実現。住人のバイタルデータに基づいて住宅設備が連動し、快眠をサポートするIoT住宅を設計した。

例えば、NTT東と協業するブレインスリープが提供するウェアラブル端末で収集したバイタルデータを使って、睡眠状態と連動してスマートホーム機器を操作。調光照明や電動カーテンを自動制御する。

2024年1~3月にかけて長谷工グループ社員を被験者に効果を検証。睡眠の質が向上しているという結果が得られたという。

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