KDDIが甲子園球場の5G設備をMassive MIMO Unitに置き換え完了、通信速度が1.6倍に

KDDIは2024年8月6日、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市甲子園町)における5G通信品質向上の対策を今年7月末に完了したと発表した。

同対策では、阪神甲子園球場の観客席エリアに設置していた、5GのSub6(3.7GHz帯)基地局6局をすべてMMU(Massive MIMO Unit)対応設備に置き換えた。MMUでは、多数のアンテナ素子を利用したビームフォーミング技術の適用により、観客が利用する場所に電波を効率的に届けるとともに、同時に複数の観客の通信を収容するMulti-User MIMOを活用して高密度な通信が可能となる。

MMUの特徴/イメージ

MMUの特徴/イメージ

さらに、MMU性能を最大限発揮するため、スタジアム内のマルチパスを考慮したアンテナ配置に刷新するとともに、スタジアムなど高密度に基地局を配置した環境で高い通信トラフィックが加わる場合に課題となる基地局間の電波干渉に対し、基地局間の無線リソース利用を最適化して干渉を回避する管理技術も適用した。本対策により、混雑時にもSub6の周波数利用効率が大幅に改善し、従来の5G通信と比較して通信速度が1.6倍に向上し、低レイテンシー(通信応答時間)で快適な通信サービスの利用が可能となった。なお、阪神甲子園球場にはSub6のほか、5Gのミリ波(28GHz帯)基地局も整備して提供している。

KDDIは、近接したSub6の2周波数(3.7GHz帯/4.0GHz帯、100MHz幅×2ブロック)を保有している。2024年度に2周波数対応のMMUを導入予定だ。Sub6の本格利用に向け、高い通信トラフィックが発生するスタジアムや都市部エリアを中心にMMUおよび関連技術の適用範囲を拡大し、通信品質の向上を推進するとしている。

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