早稲田大学とNTTは2024年6月5日、IOWNを軸として策定したビジョンに基づく共同研究を開始すると発表した。
同日、早稲田大学で開催された記者発表会で、同大学総長の田中愛治氏とNTT 代表取締役副社長の川添雄彦氏がビジョンと共同研究の狙いを説明した。
NTT 代表取締役副社長の川添雄彦氏(左)と、早稲田大学 総長の田中愛治氏
早稲田大学とNTTの産学連携で研究推進
早稲田大学は2032年の創立150周年を目前に控え、建学の精神に立ち戻って「総合知による世界人類への貢献」を推進している。その具体的な取り組みが、3つのグローバルセンターだ。学生に文理横断教育を提供する「グローバルエデュケーションセンター」は2013年4月に設置されているが、この2024年4月には研究の司令塔である「グローバルリサーチセンター」と貢献活動を体系化する「グローバルシティズンシップセンター」を新設した。
研究を牽引するグローバルリサーチセンターは、各学術院(学部・大学院)からボトムアップで生まれる研究シーズを開花させることに加え、総長やCFOなどのリーダーシップの下、トップダウンで研究力を強化していくことを目指す。
早稲田大学 グローバルリサーチセンターの構想
同センターは「社会貢献に資する研究をトップダウンで決める」(田中氏)役割を担う。社会貢献の実現には産学連携が不可欠であり、その第一弾の相手となったのがNTTであると田中氏は説明した。
田中氏に続いて登壇したNTTの川添氏は、これからの時代には「効率化のためのデジタルではなく、価値を生み出すためのデジタルが必要」と語った。IOWNというデジタル技術は、低消費電力、大容量・高品質、低遅延の性能で、社会のあらゆる分野において新しい価値を創造することが期待される。
IOWNの実用化に向けて、NTTを中心としたIOWN Global Forumのメンバーが様々な取り組みを進めている。142者(2024年4月現在)のメンバーのうち、学術組織は20組織おり、早稲田大学もその一員だ。川添氏は、高い研究力を有し、文理融合研究を通じた成果の社会実装を行ってきた早稲田大学を「非常に魅力的」と評し、フォーラムでの活動からさらに進み、この共同研究によって連携を深めていく。