ワイヤレスジャパン×WTP 2024FSPJが目指す無線システムの“共存” NECも通信品質安定化/可視化ツールを展示

複数の無線システムが“共存”しながら、安全かつ安定した無線利用を推進するプロジェクト「Flexible Society Project(FSPJ)」。ワイヤレスジャパン×WTP 2024の同ブースでは、NECの製造業向け無線通信安定化/可視化ソリューションなど、多種多様な展示を見ることができる。

Flexible Society Project(FSPJ)の前身であるFlexible Factory Project(FFPJ)は、情報通信研究機構(NICT)と複数メーカーによって立ち上げられたプロジェクト。複数の無線システムを管理・協調制御する「SRF無線プラットフォーム」を開発するなど、工場内の無線通信安定化に向けて取り組みを加速させてきた。

そしてプロジェクト名を“Factory”から“Society”に変更し、製造業だけでなく、物流や医療、インフラ業界などへと対象領域を広げている。

SRFプラットフォームは、制御ポリシーにより各無線システムにリソースを配分する「Field Manager」、自律的に無線リソースを制御する「SRF Gateway/SRF Device」、Field Managerの管理下にない無線機器を検知・監視する「SRF Sensor」で構成されている。

SPF無線プラットフォームのシステム構成図

SPF無線プラットフォームのシステム構成図

工場内では、各アプリケーションが独自の周波数やタイミングで通信を行うため、電波干渉や通信品質の劣化が起こりやすい。同プラットフォームを活用することで、アプリケーション間の“交通整理”を行い、各アプリケーションの安定稼働を実現できる。

NECは工場向け無線品質安定化/可視化ツールを展示

FSPJブースでは、NECが工場向け無線通信安定化ソリューションを展示している。

同ソリューションは、接続中のアクセスポイント(AP)の通信品質が劣化すると、他の最適なAPにシームに切り替える機能を具備している。これにより、安定的な無線環境が実現可能になるという。

また、APのバックホールに接続する「仮想化経路ゲートウェイ」と、現場機器とイーサネットを接続して無線LANに変換する「無線通信安定化デバイス」を追加することで、無線通信区間を仮想化。既存のネットワーク構成のまま容易に導入できるとのこと。

AMR(自律走行搬送ロボット)を活用した部品搬送などが主なユースケースで、トヨタ自動車の元町工場などで採用されているという。

仮想化経路ゲートウェイと無線通信安定化デバイス

仮想化経路ゲートウェイと無線通信安定化デバイス

通信品質を可視化するツールも用意。RSSI(電波受信強度)やステーションの接続数、帯域占有率、再送率などをリアルタイムで見える化できる。

無線通信可視化ソリューションの画面

無線通信可視化ソリューションの画面

そのほかFSPJブースでは、アンリツや積水化学工業、東北大学などが展示を行っている。

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