アムニモは2024年4月19日、屋外用AIエッジゲートウェイ「AX21」の開発を開始すると発表した。
同製品は、監視カメラで撮影した映像に対してエッジAI解析を行う業務システムを実現する装置であり、2024年秋に販売を開始する予定。
屋外用AIエッジゲートウェイAX21を用いたシステム構成
近年、あらゆる業種・業界の企業や組織において、AIやディープラーニングを活用した取り組みが始まっており、AIやディープラーニングの普及が進むにつれ、エッジデバイス内でAI処理を行うエッジAIが大きく注目されている。
しかし、現在市場に普及しているエッジAI処理装置には、搭載されているAIアクセラレーターの発熱が大きいことから、屋外において安定した動作をすることが難しいという課題がある。アムニモが開発を開始したAX21は、ルネサスエレクトロニクスが開発したAIアクセラレーター搭載マイクロプロセッサであるRZ/V2MAを搭載しており、低消費電力で発熱量が少ないAIアクセラレーターの利用により、風雨や直射日光にさらされる屋外においても安定した動作で稼働することが期待できるという。
AX21は、CPU/AIアクセラレーターやOSの仕様は販売中の「AIエッジゲートウェイAX11」とまったく同一であり、AX11で動作するアプリケーションはそのままAX21で動作させることが可能だ。また、アムニモは屋外において映像システムを構築する際に利用可能なゲートウェイ装置として「屋外用エッジゲートウェイAG20」を販売しており、すでに国内の多くの地点で実際に稼働をしている。今回開発するAX21は電源仕様や外装、耐環境性を実現するための機構をAG20から継承しており、AG20と同様に屋外での安定稼働を実現するという。
AX21で動作するAIアプリケーションの開発を希望する場合、アムニモが運営するAIパートナープログラムにご加入していただくことにより、開発サポートが受けられる。AIパートナープログラムは、すでに10社以上の企業が入会しており、いくつかの会社はAX11で動くレベルまで開発を進めており、それらのアプリケーションはAX21でも動作する。
また、DRP-AIの開発元であるルネサスエレクトロニクスは、RZ/Vシリーズチップ上で動作するAIアプリケーションを自社で開発し、Githubにて公開している。これらのAIアプリケーションは、元となるAIロジックや学習に使用した映像データはライセンスフリーのものを使用しており、AIアプリケーション自体がライセンスフリーで利用できるものとなっている。これらのAIアプリケーションを実際に利用する際には、ハードウェア構成の違いを補正するためのカスタマイズは必要になるが、わずかな開発でAX21上で動作するように改変することが可能であり、AX21を用いたAIシステムの実現を低コストで短期間に実現することに役立つものとなっているという。