NECと住友商事は2024年3月4日、NECの農業ICTプラットフォーム「CropScope(クロップスコープ)」のグローバル拡販に関する戦略的パートナーシップ契約を締結したと発表した。
CropScopeは、AIを活用したデジタル農業を実現するプラットフォームであり、営農アドバイスや収穫コントロールの予測を行い、食・農におけるバリューチェーン全体を最適化することを目的とする。今回のパートナーシップに基づき両社は、住友商事の有するグローバルネットワークを活用して、主に南米やASEAN地域などでの市場開拓を目指す。
CropScopeを使用する様子
これに向けてNECは、CropScopeで重点を置く対象作物を拡大。これまでの加工トマトに加えて、サトウキビ、小麦、大豆、とうもろこしに広げた。追加した作物に対してAI機能を強化し、過去の営農データや収穫データを学習させ、最適な収穫時期・量を推奨するとともに、収穫の計画と実績を管理する「収穫計画機能」も追加する予定だ。
本機能と従来からの施肥・灌漑の最適化を組み合わせることにより、栽培から収穫、加工までを包括的に管理することが可能になるという。
タイのサトウキビ圃場
住友商事は、世界65カ国に地域組織ネットワークを持ち、約40カ国にて農薬・肥料など農業資材の販売・ディストリビューション事業を展開している。本パートナーシップでは、そのグローバルネットワークを活用して、CropScopeの販売地域をまずタイ・ブラジル・インドに拡大。まずはタイやブラジルの大手製糖企業向けに、CropScopeのトライアル導入を進めている。