KDDIとKDDIスマートドローンは2024年1月26日、5G SA(スタンドアローン)のネットワークスライシング機能を活用したドローン飛行実証を行い、空撮映像の伝送に成功したと発表した。KDDIによれば、商用の5G無線局免許に基づき、5G SAを使用してドローンを飛行させるのは国内初だという。
実証時の5G SA対応ドローン
ドローンを利用した点検、巡視、警備などのユースケースでは、ドローン機体からのテレメトリー通信だけではなく、高品質の映像を撮影し、安定して伝送することが求められる。一方で、ネットワーク混雑時には映像伝送に十分な帯域を確保できないおそれがある。
そこでこの実証では、KDDIが無線局免許を取得のうえ、5Gの上空利用に必要なネットワーク環境を整備。ドローン専用の5G SAのネットワークスライシングを活用し、地上におけるスマートフォン利用などで通信の混雑した状況下でも、ドローンの空撮映像伝送に必要な通信品質を提供したという。
実証の構成イメージ
具体的には、同一評価条件下で高い負荷をかけ混雑したネットワーク環境を再現し、KDDIスマートドローンが提供する5G SA対応のスマートドローンと運航管理システムを用いて、ドローンから運航管理システムへの映像伝送を行った。
KDDIスマートドローンの運航管理画面
4G LTEと5G SAとで映像品質を比較した結果、4G LTEでは映像の途切れやブロックノイズの発生が見られた一方で、5G SAでは映像が乱れることなく高品質な映像伝送を維持できることを確認したということだ。
この実証により、5G SAの技術が災害発生後の被災現場の状況把握の高度化や、高精細な映像とAIを用いたリアルタイム分析などによる点検、巡視、警備などでのドローン活用の価値向上が期待できるとしている。