ネットワーク機器ベンダーのForce10 Networks(フォーステン・ネットワークス)の買収を今年8月に完了したデルは2011年12月6日、ネットワーク事業戦略に関する記者説明会を開いた。従来、ジュニパーやブロケードなどのOEM製品をネットワークポートフォリオの中核に据えてきたデル。それがForce10が統合されたことで、どのような変化が起きるのだろうか。
Force10買収で、デルはどう変わるのか? |
デル 執行役員の町田栄作氏は、Force10買収の効果として大きく次の3つを挙げた。1つは、製品開発面でのシナジーだ。ITインフラはサーバー、ストレージ、ネットワークの3要素で基本的に構成されるが、今回Force10が加わったことで、これら3要素を連携させた製品開発が可能になり、従来以上に包括的なデータセンターソリューションお提供できるようになる。
2つめは販売面である。Force10は特にWeb系やHPC向けのデータセンターなどで多くの導入実績を持つが、「デルが力を注いでいる、いわゆるミッドマーケット(中規模企業市場)でシナジー効果が出てくると思う」と町田氏は語った。
そして3つめは「ベンダーロックインをしていかないという観点」だという。「デルは歴史的にオープンな世界でビジネスをしてきた会社だが、Force10もオープンを目指しており、お互いに同じ方向を向いていた」(セールススペシャリストマネージャーの草薙伸氏)。元Force10日本法人の代表取締役社長で、買収に伴いForce10ユニット リージョナルディレクターに就任した林田直樹氏もForce10の5つの強みの1つとしてオープン性を挙げ、「他社製品との互換性にはかなり注力してきた」などと語った。
デル エンタープライズ・ソリューションズ・オーガニゼーション ネットワーキングソリューションズ Force10ユニット リージョナルディレクター 林田直樹氏 | デル エンタープライズ・ソリューションズ・オーガニゼーション コンピューティング&ネットワーキング統括本部 セールススペシャリストマネージャー 草薙伸氏 |
なお、Force10とデルは数年前からパートナー関係にあり、デルによるForce10製品の導入実績も数多くあるとのこと。町田氏は「ポジショニングをしっかり考えたうえでの買収であり、一過的に買収したわけではない」と説明した。