クラウドを始めとする通信ビジネスの新たなトレンドとそれを支える最新のソリューション・プロダクトをテーマにしたキャリア向けイベント「第11回次世代ネットワーク&サービスコンファレンス オペレーターズクラウド2011」(主催・リックテレコム 月刊テレコミュニケーション編集部)が、11月16日(水)、17日(木)の2日間、東京・秋葉原のUDXで開催されている。
初日の16日は、NTTドコモ執行役員・スマートコミュニケーションサービス部部長の阿佐美弘恭氏、ソフトバンクテレコム取締役専務執行役員の阿多親市氏、野村総合研究所情報技術本部イノベーション開発部上級研究員の城田真琴氏による基調講演が行われた。
ドコモの阿佐美氏は、同社のスマートフォンとLTEサービス「Xi」の展開に触れた上で、11月2日に打ち出した「中期ビジョン2015のメインテーマ」(阿佐美氏)となるクラウドの展開について解説した。同社はクラウドサービスを、(1)コンシューマー向けの「パーソナルクラウド」、(2)企業向けの「ビジネスクラウド」、(3)翻訳サービスなどの網機能を差す「ネットワーククラウド」の3つに分けて考えている。同社のサービス自体をクラウド化、これを通じてユーザーに「便利、楽しみ、喜び、安心・安全」などの価値を提供していくという。
NTTドコモ 執行役員 スマートコミュニケーションサービス部 部長 阿佐美弘恭氏 |
ソフトバンクの阿多氏は、同社が推進した「情報システム改革」、ベンダー依存体質からの脱却・情報システム部員の力量向上が、コスト削減に繋がっただけでなく、同社のクラウドビジネスの展開にも大きく寄与していると説明した。さらに同社が導入しているシンクライアントが震災時の業務継続に貢献したとした上で、近く社員3万人がシンクライアントを利用できる体制を整えることを明らかにした。
ソフトバンクテレコム 取締役専務執行役員 阿多親市氏 |
野村総研の城田氏は、体系化されていない膨大な情報「ビッグデータ」を効率的に処理するソリューションの導入が、世界の通信事業者の間でトレンドになっていることを指摘、その特性や具体的なソリューションの展開について解説した。
野村総合研究所 情報技術本部 イノベーション開発部 上級研究員 城田真琴氏 |
16日のセミナーではこの他に、日本オラクルが「ビッグデータ」のトレンドと具体的なソリューションについて解説。NECとエリクソン・ジャパンは、M2Mソリューションをメインテーマとして取り上げた。ウェブルート・ソフトウェアのセッションではクラウドのセキュリティ対策、日本ヒューレット・パッカードのセッションではコンテンツ・デリバリー・ネットワークなど同社の通信インフラ系ソリューションがテーマとなった。
クラウドとビッグデータに加えてM2Mが主要なテーマとして取り上げられた(NECのセッション) |
17日の基調講演では、NTTコミュニケーションズ代表取締役副社長の海野忍氏、KDDI商品統括本部サービス企画本部長の小林昌宏氏、インターネットイニシアティブ(IIJ)常務執行役員の時田一広氏が、それぞれのクラウド戦略を解説する。
また、IBM、ブロケード コミュニケーションズ システムズ、チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ、エンピレックス、テラブス、EMCジャパン、日本オラクル、エリクソン・ジャパン、Tail-f Systems AB/エーアイコーポレーションの各ベンダーのセッションも行われる。カンファレンスへの参加は無料だが、ホームページでの事前登録が必須となる。