中小企業に「フレッツ 光ライト」――アナログ/ISDN回線からの移行でコストダウン実現

月額2940円から利用できる「フレッツ 光ライト」。個人市場向けのイメージが強いが、NTT東日本は法人市場も重視している。コストメリットなどを武器に、小規模事業所やSOHOにアナログ/ISDNからのリプレース提案を進めている。

NTT東日本が「フレッツ 光ライト」を今後の法人市場での戦略商品と位置づけ、拡販に取り組んでいる。

フレッツ 光ライトは、高齢者や家庭の主婦などのインターネット初心者(エントリー層)や利用頻度の少ないユーザーが手軽な料金で利用できるよう設定されたメニューだ。

既存の「フレッツ 光ネクスト」との違いは、月額料金と最大通信速度の2つ。料金は、光ネクスト(戸建て向けのファミリー・ハイスピードタイプとファミリータイプ)は月額5460円(税込、以下同)の定額だが、光ライトは月額2940円からの2段階定額を採用している(図表1)。毎月200MBまでは2940円で利用でき、それを超えると10MB当たり31.5円が加算される。そして、利用量が1.2GB以上になると上限の6090円となる(いずれも別途ISP料金が必要)。

図表1 「フレッツ 光ライト」の料金体系
図表1 「フレッツ 光ライト」の料金体系

定額の光ネクストと同料金に達するのは1GB利用時。Web閲覧約600ページ、動画視聴約80分、Eメール約300通にウィルス対策セキュリティソフトのアップデートを加えた通信量が目安になる。最大通信速度は、光ネクストがファミリー・ハイスピードタイプ/マンション・ハイスピードタイプの場合に下り最大200Mbpsだが、光ライトは同100Mbpsとなっている。

コンシューマ事業推進本部営業推進部アクセスサービス部門部門長の小枝明広氏は「光ネクストと同等のサービスを目指している」と語る。その言葉通り、光ライトで利用できるオプションサービスも、「ひかり電話」「フレッツ・テレビ」「データコネクト」等、光ネクストとほぼ同じだ。

コンシューマ事業推進本部 営業推進部 アクセスサービス部門 部門長 小枝明広氏
コンシューマ事業推進本部 営業推進部 アクセスサービス部門 部門長 小枝明広氏

フレッツ・テレビとセット提供

3月1日にサービスを発表したが、直後に発生した東日本大震災の影響で十分な営業準備ができないまま6月1日のサービスインとなった。このため、最初の1カ月は2万7000契約に留まった。その後は上昇カーブを描いているが、年度目標の光ライト70万契約に向け加速が必要な局面だ。

NTT東日本では、下期は拡販に力を入れていく。小枝部門長は「地デジ移行が完了したとはいえ、映像サービスへのニーズは高いので、フレッツ・テレビとのセット提案に力を入れたい」と語る。フレッツ・テレビは、IP方式の「ひかりTV」とは異なり、光ファイバー内でテレビ放送の信号をそのまま流すRF方式のため、通信量を気にせずに利用できる。つまり、インターネットをあまり利用しないがテレビはよく見るというユーザーは、光ライトの2940円に682.5円をプラスすれば地デジもBSデジタルも楽しむことができる。

また、タブレット端末「光iフレーム」と情報配信サービス「フレッツ・マーケット」のセットで生活をより便利にする提案にも力を入れる。

月刊テレコミュニケーション2011年11月号から再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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