SCSKは2023年9月29日、サイバーセキュリティ対策に特化した専門事業会社「SCSK セキュリティ株式会社」を設立し、10月1日から事業を開始することを発表した。SI事業で培ったコンサルティング、基盤構築、運用サービスと、最新技術を活用したプロダクトを組み合わせ、顧客のセキュリティリスク低減やセキュリティ領域における投資対効果の最大化を目指すという。

設立の背景として、日本のサイバーセキュリティ対策はシステムインテグレーターが中心となったベストオブブリードでの対応が主流だったことによる、異なるベンダーの製品の不十分な連携によるセキュリティホールや、機能重複によりセキュリティ投資が最適化されていないことなどの問題を挙げている。

新会社はプロダクト事業とサービス事業の両事業を展開する。プロダクト事業は、日本、米国、英国、イスラエルなど国内外の先端技術を持つプロダクトベンダーとのネットワークを通じ、最先端のサイバー攻撃および防御製品の情報を取得する。その上で、30年以上のプロダクト提供経験を持つエキスパートによる製品評価やインテグレーション評価を実施した製品を顧客に提供する。

サービス事業は、国際的なCTF（Capture The Flag）の大会で優勝経験を持つホワイトハッカーの知見、累計4,000 件以上の脆弱性診断実績に裏付けされた経験を活かし、多種多様な業種の顧客のセキュリティレベル向上を支援する。

新会社はSCSKグループのセキュリティ事業を拡大する役割も担う。SCSKの8000社超の既存顧客にサービスを提供するほか、SCSKが行うシステム構築、アプリケーション開発に新会社の知見を活用するという。グループに散在するセキュリティ専門人材の最適配置も進めていくとしている。

今後、国内外のセキュリティ専門会社のM&Aなども含め、グループ全体で200億円規模のセキュリティ事業売上を、2030年までに1000億円に伸ばすことを目指すという。

（訂正とお詫び）　本記事の掲載時、SCSKグループ全体のセキュリティ事業売上金額の数値が誤っておりました。お詫びして訂正いたします。