インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)は2023年9月19日、中電工のカメラとAIによる画像監視のサブスクリプションサービス「CaaS(Camera as a Service)」の通信インフラとして、法人向けMVNOサービス「IIJモバイルサービス」が採用されたと発表した。
サービスイメージ
中電工のCaaSはAI搭載型のIPカメラを使った画像監視のサービス。道路や河川など様々な場所の映像を送信・分析し、その内容を遠隔からリアルタイムで確認することができる。今年5月に開催されたG7広島サミット2023においては、期間中、要人が往来する広島県内の道路に同カメラが設置され、会場警備と交通量調査の一環として活用された。
IIJモバイルサービスは、フルMVNOによる回線ステータスの切り替え(SIMの開通や中断・再開の制御)機能や、IoTカメラ用途のデータ通信に最適な上り優先機能等により、CaaSの通信インフラとして採用されたという。
中電工のCaaSは、幅広い対象や用途において画像監視・センシングを目的に開発され、その特徴の1つとして、サブスクリプション方式によりIPカメラとAIが提供されている。例えば、大雨や台風の時期だけ河川の水位の変化を検知したり、建設工事期間中だけ立ち入り禁止箇所を監視して侵入を検知したりするなど、必要な季節や短期的な業務・イベント時に限って利用することも可能だ。IIJモバイルサービスでは、SIMの開通や中断・再開を制御することが可能なため、通信が不要な期間のコストを削減することができる。またCaaSでは、IoTカメラの用途に最適な「上り優先機能」が採用されている。IoTカメラのデータ通信では、映像や画像など大きな容量のファイルをインターネット側へアップロードするため、上りのデータ通信量が多くなりがちだが、本機能により速度制限を気にすることなく、利用することが可能になる。
なお、CaaSのIIJモバイルサービスの採用は固定設置型のカメラから始まり、今後は通信機能を搭載したウェアラブルカメラなど、中電工が提供するCaaSの全サービス端末に展開される予定だ。