日本IBM 北氏「震災で一番役に立ったのはUC」――UCサミット2011レポート

「震災時に利用頻度が増えたのはUCとソーシャル」――。日本IBMはなぜ東日本大震災という緊急事態にも柔軟に対応することができたのか。同社の北好雄氏は2011年9月15日に開催された「UCサミット2011」で、「震災時のコミュニケーション、ITシステム、制度の実際」と題した講演を行った。

経営危機がワークスタイル変革のきっかけに

北氏によれば、IBMがこうしたワークスタイルを目指すことになったきっかけは、2002年に直面した経営危機だったという。「すべての面でスピードを上げないと世の中の動きに付いていけない。そこで『One IBM』――各国のIBMが連携して1つの会社として動くグローバル統合型の企業を目指して、会社を一から作り変えるくらいの勢いで変革し始めた」。One IBMというゴールに辿り着くために必要だったのが、在宅勤務制度をはじめとするワークスタイル変革であり、UCなどのコミュニケーション・コラボレーション基盤だったのである。

例えば、世界中に散らばる社員がいちいち直接会ってミーティングしていては、とてもスピードアップなどは図れない。時間と場所の壁を越えて1つの目標に向かって協力し合えうためのインフラが必須だったわけだ。同様の課題に直面している企業は数多くあるだろう。

One IBM実現のために必要としたもの
One IBM実現のために必要としたもの

ただ、ここで気を付けなければならないのは、整備の順番だという。IBMはUCやワークスタイル変革から始めたわけではない。企業文化や経営戦略、そして人事制度と、土台から構築していった。「UCだけを入れても効果は限られる。例えば、『俺は目の前で働く部下しか評価しない』という上司がいれば、それで破綻してしまう。企業としての戦略に紐付きながら、人事評価の仕組みなど全体を整備していく必要がある」と北氏は強調した。

企業文化や経営理念など、土台から整備していくことが重要と北氏は強調した
企業文化や経営理念など、土台から整備していくことが重要と北氏は強調した

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