「AIとサステナビリティに注力」米キーサイト・テクノロジーCEOが来日会見

キーサイト・テクノロジーは、ハードウェア中心の計測器メーカーから、ソフトウェア中心の設計、エミュレーション、テストソリューションを提供する企業へと変わりつつある。その牽引役となっている米国本社CEOのサティッシュ・ダナセカラン氏が来日し、記者会見を開催。AIや自動車業界におけるサステナビリティなど、今後の取り組みを語った。

キーサイト・テクノロジーは2023年8月28日、プライベートイベント「Keysight World 2023: Tech Days Tokyo」の開催に合わせて来日したサティッシュ・ダナセカラン プレジデント兼CEOの記者会見を開催した。

サティッシュ・ダナセカラン プレジデント兼CEO

米国本社プレジデント兼CEO サティッシュ・ダナセカラン氏

もともと同社はハードウェア中心の計測器メーカーだが、2022年5月にダナセカラン氏がCEOに就任して以降、ソフトウェア中心の設計やエミュレーション、テストソリューションを提供する企業への変革を推し進めている。

ダナセカラン氏は会見の中で、テクノロジーのメガトレンドとして半導体や通信技術の進化に言及した。

半導体は微細化が進むとともに、損失低減や高温度環境下での動作特性に優れるシリコンカーバイドのような新たな材料や、微細加工技術を用いてシリコン基板上に発光素子や受光器などの素子を集積するシリコンフォトニクスが登場している。また、通信は5Gやギガビットイーサネットなど無線・有線とも通信速度が向上することで、「今後10年間でさらに多くの変化が生まれるだろう」と見通しを語った。

半導体や通信技術の進化により、今後10年間でさらに多くの変化が生まれるという

半導体や通信技術の進化により、今後10年間でさらに多くの変化が生まれるという

そうした中で、キーサイトはAIとサステナビリティに着目し、積極的に投資を行っている。

AIについては現在、多くの企業がChatGPTといった生成AIを業務に活用することで生産性向上を実現しているが、「そこで止まるわけではない。将来はシステムが自ら意思決定を行うようになるだろう」と述べた。ただ、システム自身が意思決定を行うことは、倫理的なリスクも伴う。このため「どうすべきか、社会が対応を考える必要がある」と指摘した。

AIの進化にはリスクも伴う

AIの進化にはリスクも伴う

キーサイトは、シミュレーションを行うソフトウェアにAI/MLベースの人工ニューラルネットワーク(ANN)を搭載している。これにより、企業は従来と比べて開発の速度を4倍に向上させることが可能だ。「企業のイノベーションを推進し、最も複雑な課題解決を手助けすることができる」(ダナセカラン氏)という。

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