「お待ちください」を無くすために――タカラトミーお客様相談室のワイヤレスヘッドセット活用術

老若男女さまざまな顧客からの問い合わせ・苦情に対応するタカラトミーのお客様相談室。昨年末に導入したワイヤレスヘッドセットが、商品説明や苦情対応、そして新人教育に大活躍している。

「いつでも傍にいける」

ワイヤレスヘッドセットは新人教育にも大きな効果を上げている。

教育担当のスーパーバイザー(SV)は、CTIのモニタリング機能により、新人オペレーターと顧客との対話を聞きながらフォローを行う。応対中の新人に代わり該当商品を取りに行き、傍に立ってメモで助言を与え、時には、苦情に応対する新人の肩を抱き励ます――。無線であれば、SVはモニタリングを中断することなくそれらを行えるようになる。

図表 ワイヤレスヘッドセットの活用シーン

「教育担当SVは、常に新人とお客様の対話を聞いている必要がある。有線ヘッドセットの場合は、倉庫に行ったり、新人の席まで移動して線を繋ぎ直す間、会話を聞き取れない。そのほんの数秒の間に、新人が不用意な一言を言ってしまったり、お客様が大事なポイントを言うこともある。無線ならば、それを逃さない」

そういうSVが傍にいるという安堵感は、新人にとって実に大きなものだろう。アドバイスや指導もより的確に行える。今では、サポートSVの業務時間の多くが、こうした自席を離れたサポートに費やされているという。

顧客と1対1で対峙し、ともすれば“孤独な戦い”に陥りがちなオペレーターの業務だが、移動の制約が無くなれば、チームワークを発揮する余地も大きく広がる。

「皆で力を合わせてお客様に対応する。そうした雰囲気ができてきている」と平野氏。運用面でさらなる工夫を重ね、グループ全体から寄せられる「タカラトミーの顔」としての期待に応えていきたい考えだ。

月刊テレコミュニケーション2009年11月号から転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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