NTTは2011年8月5日、2012年3月期第1四半期の連結決算を発表した。営業収益は前年同期比1.5％増の2兆5374億円、営業利益は同2.8％増の3493億円であり、第1四半期としては3期ぶりの増収増益となった。
 |
| 第1四半期の決算について説明するNTTの三浦惺社長 |
音声収入の減少等でNTT東日本／西日本が減収減益だったが、昨年度に子会社化した南アフリカのディメンションデータの好調な業績と、スマートフォンが好調なNTTドコモの増益が補った。会見したNTT（持ち株会社）の三浦惺社長は「営業収益、営業利益ともに、業績予想の範囲内であり、オンラインにあると認識している」と語った。
 |
| 第1四半期連結決算の概要 （クリックで拡大、以下同） |
 |
| セグメント別の状況 |
東日本大震災の影響については、営業利益で170億円の損益となった。NTTでは今年度で300億円の営業損益を見込んでいるが、「おそらく300億円まではいかないのではないか」と、三浦社長は見通しを語った。きちんとした見通しについては、上期の決算説明会で改めて発表するという。
「フレッツ光」の純増数は、前年同期比5万2000減の53万6000契約だった。震災後、4月まで営業を自粛したため、純増が大幅に落ち込んだ。だが、「5月、6月は前年を上回る状況になっており、第2四半期の現時点も昨年度より上向いている」（三浦社長）という。
 |
| 「フレッツ光」等の契約数推移 |
NTT東日本が6月1日に開始した月額2940円からの二段階定額プランの「フレッツ 光ライト」は、同月末現在で2万7000契約だった。「震災の影響でしっかりとした準備ができずに始めたサービスだが、第2四半期以降は、積極的な販売活動を行い、計画通りの販売目標を達成したい」（三浦社長）という。また、NTT西日本も「遅くとも年度末までには投入する」予定だ。
なお、光サービス（フレッツ光＋ひかり電話）の収支についてNTTでは、今年度で単年度黒字化の目標を掲げている。2011年3月期は前年度比715億円の改善の174億円の赤字とし、NTT東日本は単年黒字化を達成している。三浦社長は「NTT西日本も今年度の黒字化を見込んでおり、目標は達成できる」と見通しを語った。
