IIJがマルチプロファイルSIMを発売、障害時に携帯電話網を自動切り替え

インターネットイニシアティブ(IIJ)は2023年6月27日、1枚のSIMカードで複数の携帯電話網に接続可能な「マルチプロファイルSIM」を、ネットワーク機器及びIoT端末事業者向けに提供開始した。

マルチプロファイルSIMは、1枚のSIMカードの中に複数の通信事業者のプロファイル(携帯電話網に接続するための情報)を保持することが可能。端末側で所定のコマンドを実行することによって自由に通信プロファイルを切り替えることができる。

例えば、IoTゲートウェイなどの端末に、携帯電話網の通信断を検知しプロファイルを切り替えるプログラムを組み込んでおくと、人手を介さずサブ回線に移行し通信を維持できる。

マルチプロファイルSIMのサービスイメージ

マルチプロファイルSIMのサービスイメージ

IIJは2022年10月からコネクシオ株式会社(以下、コネクシオ)と本SIMについてPoCを実施してきており、今般、同社のエッジコンピューティング・ゲートウェイ「CONEXIOBlackBear」の「モバイル回線自動切り替え機能」用に正式採用された。

障害時に通信を確保する方法としては、異なる携帯電話網に対応した複数のSIMを機器に搭載する方法があるが、その場合はSIMスロットを複数用意する必要があり、ハードウェアの設計変更、部品コストの上昇などの課題があった。マルチプロファイルSIMを用いることで、ハードウェアの設計変更が不要になり、また、ソフトウェアの回収も小規模に抑えられる。

携帯電話ローミングと比べても、より安価に利用が可能だ。また、ローミング事業者が運用する加入者データベースに障害が発生した場合にはローミングサービス自体が利用不能となるが、マルチプロファイルSIMの場合は各プロファイルの加入者データベースは独立しているため、片方の加入者データベースに障害が発生しても、一方のプロファイルに切り替えて通信を継続できる。

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