“未経験者”が操作するロボットが作業の8割を代替、NTT西が建設現場で実証実験

NTT西日本と建ロボテックは2023年6月26日、建設現場の労働力不足の解決をめざした建設ロボットの遠隔操作・オペレーション支援環境構築に向けた実証実験を行ったことを発表した。NTT西日本の旧本社ビル跡地(大阪市)の建て替え現場にて実施し、香川県木田郡の建ロボテック本社から遠隔操作により操作の実用性や現場評価について検証した。

2022年9月から実施したテスト環境での実証実験を踏まえて、今回、実際の建設現場において、建設未経験者によるロボット遠隔操作で、現場技術者の鉄筋結束作業の約8割をロボットに置き換えることに成功した。実際の建設現場でのロボットによる鉄筋結束作業は日本で初めてという。

遠隔操作場所(左、香川県)と建設現場(右、大阪府)

遠隔操作場所(左、香川県)と建設現場(右、大阪府)

本実証実験は、すでに現場導入が進んでいる鉄筋結束ロボット「トモロボ」を使用。遠隔操作による現場技術者の負荷低減と、簡単なGUIによって誰でも業務ができる環境構築を目指して、トモロボに遠隔操作システムを追加した。

遠隔操作は、ロボットに搭載されたカメラ映像を見ながら行う。ロボットの稼働に関するステータス情報(作業量、移動履歴、バッテリー残量)をクラウドにアップロードし、遠隔操作者が現場技術者と同等に状況を把握できる。

操作画面(GUI)では、トモロボに設置した合計6カ所のカメラ映像で現場状況が把握できる。進行方向の決定や発信等の基本指示を出した後はロボット自体が自走する、簡易な操作性により、誰でも操作可能にした。

遠隔操作者確認画面のイメージ

遠隔操作者確認画面のイメージ

実証実験の結果、現場技術者による鉄筋結束作業の8割をロボットに置き換えることに成功。同作業に関わる現場技術者の稼働を約20%に抑えることができ、より高度な業務に従事することが可能になった。

NTT西日本は今回の結果を踏まえ、建設現場の環境に適応したサービスの具体化を検討していくという。

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