NTT東日本は2023年5月2日、「災害に強いまちづくり」の実現に向けた取り組みを同日から開始すると発表した。地域の通信インフラを支えてきた知見を生かし、自治体とともに“地域のあるべき姿”を描いた上で、防災業務の課題解決と、地域の価値向上を目指していく。
昨今、自然災害が激甚化、長期化する中、自治体の災害復旧活動は高度化を求められているが、人手不足が被災箇所調査と災害対策本部の運営の両立に支障を来している。一方、NTT東日本は通信事業者として様々な災害を経験している。この取り組みは、そうした経験から培ったノウハウや技術を自治体の防災業務に広げることで、復旧活動の支援や日常生活の早期回復につなげようとするものだ。
「災害に強いまちづくり」の実現に向けた取り組みの概要
具体的には、自治体と防災業務における課題の明確化を行う防災コンサルティング活動が柱となる。既存のソリューションだけではなく、NTT東日本の持つノウハウやアセットの活用や、外部の研究期間や他企業との連携を通じ、課題解決と新たな防災ソリューションを作り出すことを図るという。イメージとして、NTT東日本の人的リソースを活用した災害復旧オペレーションの支援、NTT局舎の復旧活動への活用、防災訓練等を通じた地域住民の防災意識の醸成が挙げられている。
同日、山形県米沢市、長井市などの置賜地区3市5町と連携協定を結び、レジリエンス強化推進プロジェクトを開始したことも発表した(参考記事:NTT東日本が地域DX加速へ新組織「地域循環型ミライ研究所」を設立)。NTT東日本は今年度中に全国複数地域での防災コンサルティング活動を実施する予定。効果把握等を目的とした実証から開始し、将来的なサービス化、事業化を目指す考えだ。