Starlinkで4Gエリアを構築 KDDIが山間部や離島でのDX実現手段

衛星ブロードバンド「Starlink」を活用し、ユーザーの希望に応じて、電波が届かない場所を4Gエリア化するサービスをKDDIが開始している。山間部でのDX実現手段などとして期待が高まっている。

「Starlinkを活用して、山間部や島しょ地域のauのサービスエリアを拡充すると発表してから、“山奥の工事現場で携帯電話が使えるようにならないか”といった問い合わせを、企業のお客様から多くいただいていた。そうした要望にお応えしたいと考えた」

KDDI 事業創造本部 LX基盤推進部長の泉川晴紀氏は、同社が企業・自治体向けに提供しているauエリア構築ソリューション「Satellite Mobile Link」の開発意図をこう説明する。

KDDI 事業創造本部 LX基盤推進部 部長 泉川晴紀氏

KDDI 事業創造本部 LX基盤推進部 部長 泉川晴紀氏

Starlinkは、イーロン・マスク氏が率いるスペースX社が展開する低軌道衛星によるブロードドバンドサービスだ。

通信分野で早くから利用されている静止衛星の高度の65分の1、地上550kmに配置された3717機(2023年1月時点)の衛星によって、下り最大350Mbpsのインターネット接続サービスが提供されている。

KDDIがスペースXと業務提携し、携帯電話基地局とコアネットワークを結ぶバックホール回線にStarlinkを利用すると明らかにしたのは2021年9月のこと。まず山間部や離島などの1200カ所の基地局から導入を開始すると発表した。

その後、スペースXとの提携の第2弾として、日本国内の法人企業・自治体向けにStarlinkをKDDIが提供すると2022年10月に発表したのを挟んで、同年12月1日にStarlink回線を利用した最初のau基地局の運用が静岡県熱海市の初島で開始された。

携帯電話基地局のバックホール回線には、主に光ファイバーが用いられるが、山間部や離島では敷設にコストがかさみ、エリア拡大のネックの1つとなってきた。バックホール回線としてStarlinkを使えば、光ファイバーを敷設する場合に比べてエリア構築コストは格段に安くなる。

KDDIはスペースXのパートナーとしてKDDI山口衛星通信所にStarlinkの地上局を設置して技術検証を進め、Starlinkをバックホール回線として利用してauのコアネットワークに接続する際のサービス品質と性能の実証を行ってきた。

この仕組みを活用し、基地局の設置・維持費用の一部を負担してもらうことで、企業・自治体が必要とする場所を、auの4Gサービスエリアにできるようにしたのが、Satellite Mobile Linkだ。

図表1 Satellite Mobile Linkのサービスイメージ

図表1 Satellite Mobile Linkのサービスイメージ

企業の要望に応じて、工場などに5Gエリアを構築するというソリューションは、以前から携帯電話事業者各社は提供してきた。Satellite Mobile Linkはこれと同様のスキームで、バックホール回線に光ファイバーではなく衛星回線を用いて提供するものだ。KDDIでは、Satellite Mobile Linkによる5Gエリアの提供も検討しているという。

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