KDDIは2023年3月9日、東京都千代田区大手町のKDDI大手町ビル内敷地において、埋設型5G基地局の運用を2022年12月より開始したと発表した。国内通信事業者として初だという。

埋設型5G基地局

埋設型基地局は、無線機やアンテナなど電波放射に必要な機器を地中 (地表面下) に埋設した筐体内に収納することで、景観に配慮した設置が可能となる。また、上方に電波を輻射することで地上に沿ってエリア化する。筐体には防水性の高い金属採用し、浸水への耐性も考慮した設計となっているほか、アンテナが地中にあることから、強風の影響も受けにくくなっている。

埋設型5G基地局の利用イメージ

KDDIは、2018年から埋設型基地局の商用運用開始に向けた検討を進めてきた。2022年12月に埋設型基地局の電波発射に成功。2023年2月まで電波伝搬特性などの検証を行い、半径約50mの通信エリアが確保できることを確認したという。その間、2021年7月には、埋設型基地局を対象とした総務省の電波防護指針の新制度が施行された。

（左から）構成図／ハンドホールトップカバー／ハンドホール／無線機を収容している筐体

KDDIは、埋設型基地局の活用により、美観地区など景観への配慮が必要な場所のエリア化の加速を目指すとしている。