<特集>デジタル田園都市国家構想地域DX推進に必要な3つの支援とは? NTT DXパートナーに聞く

地方自治体や地域産業と深いつながりを持つNTT東日本が2022年に設立したNTT DXパートナー。約1年の取り組みで見えてきた「地域DX」推進の鍵と、その成果とは? NTT DXパートナー 取締役 DXコンサルティング部シニアマネージャーの近藤俊輔氏に聞いた。

地域DX推進のアプローチとして、次の3つの支援が必要と考えている。

1つめは、その地域を構成する企業のDX推進を支援すること。これで地域を元気づける。2つめが、住民にフォーカスした地域活性化の支援。街づくりや、住民のWell-beingを高めていく取り組みだ。

これらを支える自治体DXの支援が3つめ。庁内のDX、行政サービスのデジタル化、そして地域の企業がデータを活用したり、データに基づいた住民サービスを提供するためのデータ連携基盤の整備も必要になる。

地域企業の支援では、民間主導の取り組みも進んでいる。

山梨県では、NTT DXパートナーがコミュニティリーダーとなって地銀や地場IT企業、商工会議所らで地元企業を支援するための山梨DX推進支援コミュニティを発足した。ポータルサイト「やまなしDXエンジン」にてDX推進に関する個社別の課題の収集、DX関連情報の発信を行いながら、DXセミナーや個社別のコンサルティング等を実施し、地域の企業のDX推進を支援している。現在、30社程度の相談に応じている。

同様の取り組みは各地に広がっており、長野県松本市でも地元企業のDXを支援する「デジベース松本」が始動。他県でも商工会議所が会員企業の80社を支援している。

また、県内の小売・サービス業者に対してECサイトの構築やSNS活用を地元金融機関と連携して支援するデジタルマーケティングに特化した取り組みもある。

地域活性化に関しては新潟県佐渡市で、新潟大学の学生が社会人イノベーターと一緒に地域住民・企業が抱える地域課題の解決に取り組んでいる。学生は、課題の解決に向けてデザイン思考などを取り入れ、学生ならではの地域課題の解決案を考えて地域住民や企業と連携しながら実現していく。

学生のアイデアは、デジタルネイティブ世代の斬新なアイデアを創出するので、非常に貴重なものだと実感している。

NTT DX パートナー 近藤俊輔氏

NTT DX パートナー 近藤俊輔氏

DX人材育成のニーズは高い

3つめの自治体DX支援は、各自治体と強いつながりを持つNTT東日本と連携しながら活動している。この領域では、人材育成のニーズが高い。

神奈川県のある市では、庁内業務のBPR推進と並行して、DX人材の育成をセットで支援している。NTT東日本がICTソリューションを提供したり、ローコードツールを活用して業務改善を行いながら、NTT DXパートナーが市職員を対象にワークショップやハンズオン研修を実施する。DXを推進するには自治体内の人材を育て、「自走できることが必要」との考えからだ。

研修やワークショップを行う例は多く、山梨県の某市では市職員を対象に「高齢者が住みやすい街づくり」をテーマとしてデザイン思考のワークショップを実施した。千葉県では産官学連携で観光施策を立案するプログラムを実施。ここでも旅行会社や大学生に参加してもらっている。

一方、山梨県では県と各市町村、企業等が持つデータを共有・活用するためのデータ利活用基盤の構築も始めた。現時点では、空き家等のデータに限っているが、将来的には住民や企業の要望に合わせたデータの活用を検討したいと考えている。

こうした3領域を連携させながら、同じエリアで事業を展開していくことで地域DXの効果が高まると考え、この相乗効果を生み出すことを狙いとして事業を展開している。

月刊テレコミュニケーション 2023年2月号より転載)

近藤俊輔氏

NTT DXパートナー 取締役 DXコンサルティング部シニアマネージャー。2004年にNTT東日本に入社。2022年2月に現職に着任

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