NTTドコモは2023年2月27日、同社がオープンRANの導入を支援する海外通信事業者が5社を突破したと発表した。
ドコモが現在支援をしているのは、韓国KT、フィリピンSmart Communications、英Vodafone Group、米DISH Wireless、シンガポールSingtelだ。
KTとはオープンRANの推進に向けた基本合意書を2022年1月に締結し、検証を実施中だ。また、SmartとはフィリピンにおいてオープンRAN の検証を進めている。
ボーダフォンとは2022年10月にオープンRANの推進に向けた協力に合意し、両社が連携して海外通信事業者を支援する体制を構築しており、2月3日に共通のテストスクリプトを定めたホワイトペーパーを発行した。
また、DISHとはドコモが提供するオープンRANの検証環境である「シェアドオープンラボ」において、同社の装置を使用した性能と安定性の評価を今後実施していくことに合意している。Singtelとは今後、技術評価およびオープンRAN導入に向けた検討を進めていく。
無線基地局の仕様をオープンかつ標準化することにより、多様な通信機器ベンダーの装置やシステムとの相互接続を可能とするオープンRAN への関心が世界的に高まっているが、これまで単一の通信機器ベンダーの装置で通信ネットワークを構築してきた海外通信事業者にとっては、オープンRANを実際に導入するための技術的知見や検証環境の整備などに課題が存在していた。
ドコモは4G時代から複数の通信機器ベンダーで通信ネットワークを構築してきた知見を活かし、世界の通信事業者のオープンRANの導入支援を行っている。
2021年には世界の通信機器ベンダーとともに「5GオープンRANエコシステム」を立ち上げ、技術連携などを進めてきたが、本日、この体制をさらに強化し、今後は「OREX」ブランドとして世界の通信事業者の導入支援に貢献していくとしている。