4地点をIOWN APN関連技術でつなぎリモートコンサート

IOWN

NTT ArtTechnologyとNTT東日本は、東急文化村(Bunkamura)、NTT西日本と連携し、IOWN構想のAPN(オールフォトニクス・ネットワーク)関連技術で、東京-大阪-神奈川-千葉をつなぎ、多地点間協奏の実現可能性を検証するリアルタイム・リモートコンサートを2月10日に開催した。

コロナ禍で音楽コンサートのオンライン配信やリモートレッスンなど音楽の新しい共創・鑑賞形式が広がりを見せているなかで、従来のリモートコンサートでは、通信や音声・映像の処理により遅延が発生し、音楽として成立しにくいという課題があった。

これらに対し、NTT ArtTechnologyとNTT東日本はIOWN(Innovative Optical and Wireless Network) APN関連技術である低遅延伝送技術と低遅延映像処理技術を組み合わせることで解決を目指し、2022年3月に日本初となるコンサート会場での2地点間協奏を実現した。今回は、2地点間を上回る4地点間で東京-大阪-神奈川-千葉の1都1府2県をつなぎ、リアルタイム・リモートコンサート「Innovation×Imagination 距離をこえて響きあう 未来の音楽会Ⅱ」を実現し、東京と大阪では演奏者と観客、神奈川では演奏者、千葉では観客が参加し、双方向性のある音楽体験を提供するコンサートを開催した。

今回の実証では、次の2つのIOWN APN関連技術を活用し、通信の遅延を短縮することで、プロの演奏家でもリモート演奏の違和感なく演奏可能であることを確認した。

低遅延伝送技術
電気処理を主体とする通信装置(ルータ、レイヤ2スイッチなど)を使用せず、非IP方式のレイヤ1通信パスをエンド-エンドに設定することで、物理的極限に迫る低遅延化を実現した。このような特徴を持つAPN端末装置をユーザー拠点に設置することで、ユーザーの手元への100Gbps超の通信回線提供を可能にしている。

低遅延映像処理技術
各拠点からの映像を縮小し、1つのモニタの画面を分割して表示する処理について、伝送される映像を入力された順に画面配置を制御しながら表示することで、処理装置への映像入力から 出力までの処理遅延を10ミリ秒程度以下で実現した。

今後は、今回の実証コンサートを通じて得られるデータ、知見を活かし、文化芸術領域における新しい共創・鑑賞モデルの1つとして、音楽公演やイベント会場、教育現場などにおける多地点間協奏サービスの事業化を検討していく。

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