「脱会議室」がトレンドのテレビ会議システム――シスコ、ポリコム、ソニーなどから続々

ビジュアルコミュニケーションの最近の潮流となっているのが「パーソナル」。会議室以外で使われることが増えてきているのだ。こうしたトレンドを受け、テレビ会議ベンダーからはパーソナル用途を意識した端末を次々と投入している。

テレビ会議/Web会議などのビジュアルコミュニケーションシステム――。現状では会議室内での利用が中心となっているが、最近キーワードとして急浮上しているのが「パーソナル」だ。シスコシステムズ・エンタープライズマーケティングの佐々木明夫マーケティングマネージャーによれば、「ユーザーは会議室以外での利用を見据え始めている」という。自席などでパーソナルにテレビ会議/Web会議を利用するケースが増えてきているのだそうだ。

このパーソナルという領域は、Web会議システムが最も得意とするところだ。PCとWebカメラ、インターネット環境さえあれば、オフィス内の自席はもちろん、自宅や外出先などでも利用できる。

ただ最近では、パーソナル用途のテレビ会議も充実してきている。例えばシスコ(旧タンバーグ)のテレビ会議で現在、最も売れているのはパーソナルタイプだという。同社コラボレーション事業テレプレゼンスビデオ営業部の藤嶋眞知子マーケティングマネージャーは「従来の部屋と部屋をつなぐものから、人と人をつなぐコミュニケーションツールへと変化してきている」と語る。

シスコはデスクトップ用のテレビ会議端末として「EX90」や「E20」などをラインナップしている。EX90は、役員クラスの自席での利用を想定しており、フルHD画質やタッチインターフェースなどが特徴だ。E20はテレビ電話タイプの製品で、社員の利用や受付端末としての利用を想定している。

シスコシステムズ(旧タンバーグ)の「EX90」はエグゼクティブ利用を意識したパーソナル向けのテレビ会議端末だ
シスコシステムズ(旧タンバーグ)の「EX90」はエグゼクティブ利用を意識したパーソナル向けのテレビ会議端末だ

また、ポリコムもHD対応の「Polycom HDX 4000 シリーズ」でパーソナルユースに対応したほか、テレビ電話タイプの「Polycom VVX 1500 D」も用意している。

ポリコムのビジネス メディア フォン「Polycom VVX 1500 D」は、H.323とSIPに準拠した低価格モデル。PCでWeb会議をしたくないというケースなどでも採用が多いという
ポリコムのビジネス メディア フォン「Polycom VVX 1500 D」は、H.323とSIPに準拠した低価格モデル。PCでWeb会議をしたくないというケースなどでも採用が多いという

本記事は月刊テレコミュニケーション2011年4月号に掲載したものを再編集したものです。記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります。

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