Zoom Phoneの統括責任者に聞く「Zoomの電話が日本で支持される理由」

Web会議から統合コミュニケーションサービス(UCaaS)へ進化するZoomにあって、中核サービスに位置づけられるクラウド電話のZoom Phone。特殊な電話文化を持つ日本で浸透を図るための戦略とは? Zoom Phone統括責任者であるZoom Video Communicationsのコルビー・ニッシュ氏に話を聞いた。

Zoom Video CommunicationsでZoom Phone統括責任者を務めるコルビー・ニッシュ氏

――2019年にクラウドPBXサービス「Zoom Phone」を開始し、2021年10月から日本でも提供を始めました。コロナ禍で急速に普及したWeb会議に続いて、クラウドPBXをどのように浸透させようとしているのですか。

ニッシュ オンプレミス型PBXをクラウドへどんどんシフトしていくことは、我々にとって重要な目的です。

強調したいのは、この目的を「単一」のUCaaS(Unified Communications as a Service)プラットフォームを通じて遂行することです。電話をクラウドへ移行する際には、安心安全なクラウド環境ですべてのアプリケーションを集中管理できるようにすることが大切なポイントになると考えているからです。

半年に100万人ペースで成長

――Web会議やクラウド電話を、それぞれ個別のサービスとして売っているわけではないと。

ニッシュ 我々の「Zoom One」プラットフォーム(図表)は、ミーティング、電話、チャット、ウェビナー等の機能を統合することで、お客様に対してシンプルな体験と管理の容易性を提供し、Zoom Rooms(据置型の会議システム)やIP電話機といったハードウェアとの互換性も担保しています。

図表 UCaaSプラットフォーム「Zoom One」のイメージ

図表 UCaaSプラットフォーム「Zoom One」のイメージ

加えて、クラウドネイティブであり、ビデオに最適化されているという、ZoomをZoomたらしめている差別化要因もあります。これにより、多くの企業がオンプレミス環境からクラウド環境へと移行するなかで、我々のサービスが採用されています。

――クラウド電話サービスとしてのZoom Phoneの特徴と、これまでの実績について教えてください。

ニッシュ セキュア、シンプル、スケーラブル、イノベーティブ、エクステンダブル(拡張性がある)の5つが、Zoom Phoneの柱です。

Zoom Phoneの通話は暗号化され、99.999%の可用性を実現しています。シンプルで使いやすいUI、数十万ユーザーへ拡張できるスケーラビリティも重要な要素です。そして、新機能の開発や様々なハードウェアとの互換性の担保、Microsoft TeamsやSlackといった他社アプリケーションとの連携も進めてきました。

こうした特徴によって、Zoom Phoneは提供開始後1年9カ月で世界で100万ライセンスを達成(2020年末)。その後は半年に100万ライセンスのペースでユーザーを増やし、2022年8月には400万に達しました。

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コルビー・ニッシュ氏

Zoom Video Communications Zoom Phone統括責任者。2019年入社。UCaaSプラットフォームのテクニカルセールスに特化したチームを率いる。Zoom入社以前はシスコシステムズのコラボレーション営業戦略を担当した

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