――2022年3月の社長就任後、「ファイアウォール(FW)の会社というイメージを払拭する」という姿勢を打ち出しました。手応えは。
青葉 イメージは徐々に変わってきました。SASEやエンドポイント/モバイルセキュリティ等の新しいソリューションを扱うパートナーもどんどん増えています。11月にはダイワボウ情報システムが、これら新領域を軸に展開するディストリビューターとして参加しました。
――青葉さんはネットワーク業界での経験が豊富です。ゼロトラストやSASEといった概念が浸透し、セキュリティ業界が大きく変わる時期にチェック・ポイントに来た理由は。
青葉 転換点では、業界における既存ベンダーのイメージやポジションも変わります。方向転換させないといけない状況だからこそ、自分のバリューが出せると思っています。
ブロケードコミュニケーションズシステムズやシスコシステムズで長くネットワークに関わってきましたが、その頃から、いずれ“社内ネットワーク”はなくなると考えていました。現在、アプリケーションがクラウドへ移行して業務がリモートになることで、社内ネットワークはほぼ不要になっています。
代わりはインターネットですが、そうなると社内ネットワークに投資していた部分がセキュリティに入ってくる。市場は確実に拡大します。
その時に重要な存在になるのが、セキュリティのトータルポートフォリオを持っている会社です。
チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ
代表取締役社長 兼 日本地区担当ディレクター 青葉雅和氏
――“新生チェック・ポイント”がその役割を担うと。
青葉 そうです。現在のセキュリティは様々なベンダーの製品・サービスを組み合わせるベストオブブリードですが、今後はシングルベンダーになっていくはずです。
理由は、管理が複雑だからです。企業のセキュリティ担当者はポリシーを決めて、それを様々なベンダーの製品に落とし込みますが、これは非常に大変。そのポリシーを運用するのは、もっと大変です。
管理・運用が複雑であれば脅威にさらされる場面は増えるし、運用コストも上がる。だから、シングルベンダーに収束していくはずです。