アンテナ配置の難しさ
5Gアンテナの一般的な配置は複雑なもので、最高の5Gパフォーマンスを実現するためのアンテナ付きのデバイスを設計する際には、一連の判断を下すことが必要です。例えば、金属ケースとプラスチック・ケースのどちらを使用するのか、電池・LCD・コネクター・シールドカン・その他の金属を含むコンポーネントとの距離、プリント基板のサイズ・場所・向き、ノイズを出して干渉を起こす可能性のあるコンポーネント、同じような周波数を共有するその他のアンテナ、デバイスの場所、などです。
これらすべてがアンテナのパフォーマンスに多大な影響を及ぼす可能性があります。後から変更を加えることは容易ではなく、設計段階で検討しておくことが大切です。設計段階でアンテナの位置がもたらす影響について時間をかけて考えるのは、価値のあることです。逆に、開発段階でアンテナは後から簡単にデバイスに追加できると考えてしまうのは、よくあるミスといえます。
これらを踏まえると、無線デバイスの設計者は、あらゆるアンテナの知識が豊富で、最適なアプローチをアドバイスできるモジュールやアンテナのサプライヤーと手を携えたほうが良いといえます。この協調関係により設計者は、アンテナを介して期待通りの通信機能が確保され、自分たちが選んだアンテナが、最終製品の5Gパフォーマンスを最適化するサポート・サービスによって支援されているということに自信を持つことができます。
アンテナ・アレイ設計のさまざまな課題に関して、また5Gミリ波などの最新テクノロジーに起因する複雑さに関して、専門知識を持つベンダーも頼りになります。アンテナの位置は、パフォーマンスの最適化に欠かせないものであり、アーキテクチャの構築で最も初期の段階で考慮されるべき大事な項目です。設計が進んでから対応を行ってしまうと、追加コストの発生や遅れが生じ、市場投入までの時間に悪影響が及ぶことがあります。
アンテナ、コンポーネント、設定をめぐるプロセスには、きわめて多くの異なる種類があります。アンテナのテクノロジーは、ただ購入して、プラグを差し込んで、電源を入れればすぐに使えるようなものではありません。アンテナを使いこなし、最大の能力を確実に引き出して最適なパフォーマンスを実現するためには、アンテナのテクノロジーを、用途と場所に合わせて慎重に選ぶ必要があります。