KDDI決算は固定通信が7期ぶりに黒字転換――2012年3月期はスマートフォン販売400万台目指す

KDDIは2011年4月25日、2011年3月期の決算を発表した。連結ベースの営業収益は前期比0.2%減の3兆4345億円だったが、営業利益は同6.3%増の4719億円で、10期連続の増益を達成した。移動通信事業が同9.3%減の4389億円だったものの、固定通信事業が同682億円増の240億円と、7期ぶりに黒字転換したことが貢献。田中孝司社長は「期待以上の結果だった」と評価した。

決算について説明する田中孝司社長

2012年3月期は、営業利益で同0.7%増の4750億円を計画。この内、移動通信事業が同2.0%減の4300億円、固定通信事業が同66.7%増の400億円を見込んでいる。

2011年3月期決算の概要 2012年3月期の業績見通し

田中社長は2012年3月期について、「KDDIグループの次なる成長に向けたスタートの年にしたい」と語り、まず、基盤事業の立て直しに取り組むことを明らかにした。移動通信事業については「auのモメンタム回復」を掲げ、実現のために「スマートフォンへのシフト」と「800MHz帯周波数再編の着実な対応」を挙げた。固定通信事業では、「増収増益の確立」を目指し、「FTTHの顧客基盤拡大」「法人向けソリューションの強化」「ネットワークコストの削減」に取り組む。

2012年3月期の取り組み

このなかで、スマートフォンについては、2011年3月期の販売台数は109万台で、端末販売台数に占める割合は9%だった。これを2012年3月期は400万台、端末販売台数比は33%に向上させる。この目標について田中社長は「かなり大きな数字という認識だ」と語った。

「3M戦略」と「グローバル戦略」で成長を描く

KDDIはさらに、中期的な事業の方向性も発表。マルチユース、マルチネットワーク、マルチデバイスからなる「3M戦略」を国内事業の成長戦略に据えた。さまざまなコンテンツやサービスを、いつでもどこでも最適なネットワークで、好きなデバイスで利用できるというコンセプトだ。

「3M戦略」の狙い 「グローバル戦略」の概要

また、グローバル事業をKDDIグループの事業の柱に据える。国内で培ったISP、WiMAX、コンテンツのノウハウを活用し、新興国やアジアへの展開を図るなどし、2010年度で1600億円の売上を2015年度には倍増させる方針だ。

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