イー・アクセスが営業利益で過去最高を達成、経営統合に向けエリック・ガン取締役が社長就任へ

イー・アクセスは2010年5月12日、2010年3月期の連結決算を発表した。営業利益は前年比14.6%増の191億5000万円で、創業以来最高益となった。深田浩仁社長は「2009年6月25日付けでアッカ・ネットワークスを合併し、統合シナジー効果が順調に進捗したことがその要因」と語った。また、当期純利益は41億5000万円で3年ぶりの黒字化を達成。「イー・モバイルの契約数が順調に伸びたことや、コスト削減によりイー・モバイルの損失が縮小したことが、持分法による投資損失の減少に大きく寄与した」(深田社長)という。

子会社のイー・モバイルの業績だが、上期はネットブック、下期は「Pocket WiFi」の販売が非常に好調だったことに加え、累計加入者が順調に増加して235万を突破したことにより、前年比ほぼ2倍の売上高となる1136億円を達成した。EBITDAは182億1000万円となり、通期で初となる黒字化を達成した。

イー・アクセスは2010年7月1日付けでイー・モバイルを完全子会社化することを発表している。深田社長は「固定とモバイル、それぞれのブロードバンド市場をリードしてきた両社が経営統合することで、固定とモバイルを完全に融合したサービスを提供する、日本で最初の総合ブロードバンド事業者を目指したい」と抱負を語った。

経営統合によって期待されるシナジー効果

経営統合によりイー・アクセスグループは、2011年3月期で加入者基盤500万以上、売上高約1900億円、EBITDA約600億円を目指す。

なお、イー・アクセスは株式交換によってイー・モバイルを完全子会社化する予定だが、「企業結合に関する会計基準」および「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」上は「逆取得」に該当するため、連結財務諸表は、7月1日にイー・モバイルがイー・アクセスを取得したものとして処理し、通期での連結財務諸表はイー・モバイルの財務諸表が基準になる予定だ。

経営統合にともない、イー・アクセスは新たな役員人事も発表した。取締役会長でイー・モバイル代表取締役会長兼CEOの千本倖生氏が代表取締役会長に、取締役でイー・モバイル代表取締役社長兼COOのエリック・ガン氏が代表取締役社長に就任する。深田浩仁社長は代表取締役副会長に就く。6月24日に開催される第11回定時株主総会および株主総会終了後の取締役会において正式決定される予定だ。

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