ローカル5Gと衛星ネットを接続、東大と富士山研が有事想定した実証に成功

東京大学大学院工学系研究科(以下、東京大学)と山梨県富士山科学研究所(以下、富士山研)は2022年11月25日、富士山5合目においてローカル5Gシステムと商用の低軌道衛星インターネットアクセスサービスを接続する技術実証に成功したと発表した。

ローカル5Gシステムと衛星インターネットアクセスサービスの接続の構成

ローカル5Gシステムと衛星インターネットアクセスサービスの接続の構成

実証は同月19日に実施した。富士山5合目に自営無線通信網として整備したローカル5Gシステムと衛星インターネットアクセスサービスを接続(上図表)。スマートフォンやモバイルルーター、ゲートウェイ等のローカル5Gに接続した端末から、衛星を介してインターネット通信を行った。

東京大学および富士山研はこの実証成功により、山岳や海洋などの人口過疎地を含めて、全国どこにいても、被災時等の有事でも通信が可能な「ライフライン」を一般事業者(自治体・大学・地場産業など)が自ら構築することができる可能性が示されたとしている。

有事の復旧、減災活動での情報通信網の運用コンセプトモデル

有事の復旧、減災活動での情報通信網の運用コンセプトモデル

今回の技術実証では上写真のように、8輪バギーにローカル5Gと衛星インターネットアクセスサービスを搭載。有事の際に通信が必要な場所に展開し、復旧や減災活動に活用できることを確認した。ただし、現在のローカル5G免許制度においては、有事の際の臨機の措置を除いて移動させてローカル5Gを運用することはできないため、実用化に向けては法制度の変更などが必要となる。

東京大学と山梨県富士山科学研究所の実験メンバ、富士山5合目にて

東京大学と山梨県富士山科学研究所の実験メンバ、富士山5合目にて

東京大学と山梨県は2021年6月3日に火山防災対策に関わる連携協定を締結しており、今回の技術実証は同協定およびNGCI次世代サイバーインフラ連携研究機構の活動として行われたものだ。両者は今後も、5G/Beyond5G等次世代通信インフラを活用した火山防災対策、地域課題解決に取り組んでいくとしている。

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