【MWC2011から見えたもの】スマートフォン/タブレットで始まるモバイル新時代

スペインのバルセロナで開催された「Mobile World Congress 2011」(MWC2011)では、どんなトレンドが見えてきたのか。主要トピックを総ざらいする。

アプリプラットフォームの競争に

次に、これらの端末をどういうネットワークで、どのように利用するのかという点に、世界中の関心が一歩踏み込んだ。アップルのApp Atoreに対して、どのようなプラットフォームでどのようなアプリケーションで、どのようなビジネスを展開していくのか、誰が主導権を取っていくのかという点で大競争時代が始まったといえる。

会場の奥まった場所にあるホール7はApp Planetと呼ばれ、主要アプリケーションベンダー、コンテンツベンダーが世界中から勢ぞろいした。また、世界のキャリアが連合して、アプリケーションプラットフォームを規格化し、より容易にアプリケーション、コンテンツ提供サービスを展開できるようにするフォーラム「Wholesale Applications Community」(WAC)が初めて登場した。このフレームを利用して、まだ十分コンテンツ配信サービスを展開できていない2番手、3番手キャリア、中進国のキャリアなどに対して主要ベンダーによる配信プラットフォームの提案合戦が始まった。

WACのブース

WACブース

また、モバイル/ワイヤレスの用途別ソリューションの展示もここに集結した。電子書籍、モバイルヘルスケア、自動車ソリューション、モバイル決済、モバイルエコシステム、エンベデッドM2M、モバイルクラウドなどのパビリオンが数多く設置され、それぞれに小規模ベンダーから有名企業までが参加し、多様なアプリケーションの可能性を垣間見せた。

他方、エリクソン、NECなどのインフラベンダーは、LTE、HSPAなどの技術方式の開発の先端性を見せる段階から、キャリアがより容易にサービス提供でき、安価で効率よくエリアを拡大できるかのインフラ技術を示する段階に移ったとみられる。

エリクソンは無線ユニットとアンテナを1つのポールに集約し、数分の1への小型化を実現した基地局装置を展示した。

数分の1に小型化した無線基地局
エリクソンはVoice over LTE(VoLTE)のデモも実施
エリクソンはVoice over LTE(VoLTE)のデモも実施

NECはモバイルクラウドのコンセプトを発表し、LTEのインフラをベースに始まる新たなモバイル活用の概念を示した。SONの技術をより洗練させた形で実用化したデモンストレーションを行った。

IBMは、キャリア向けの展示として、スマートコミュニケーションのタイトルの下、クラウドの収益化、顧客インサイトの活用、よりスマートなネットワークの活用、運用のトランスフォーメーションという4つのテーマで、キャリアの課題解決に向けてのコンセプトを打ち出した。そして、それぞれのゾーンでその具体策を提示した。

IBMのブース
IBMのブース

また、別にエンベデッドモバイルハウスの建物を設け、AT&T、エリクソンなどの協力でドイツで実験しているスマートハウスのモデルを展示、スマートフォンで家庭内の機器をコントロールするなどの実演を行った。

エンベデッドモバイルハウス
エンベデッドモバイルハウス

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