企業ネットワーク最前線

<特集>通信事業者DX キャリアの未来学

NTTとKDDIはDX人材をどう育成している? 「AI工場」と「KDDI DX University」の取り組み

文◎村上麻里子(編集部) 2022.04.15

  • Teitter
  • facebook
  • 印刷

NTTはDX人材の育成・実践の場として「AI工場」を立ち上げた。KDDIも「KDDI DX University」を開校した。DX企業へ変貌するため、社員の能力再開発にどう挑むのか。2社の取り組みをレポートする。

 
「NTTグループをネットワーク×デジタル企業に進化させたい」。NTT 技術企画部門 イノベーション戦略担当 担当課長の染井隆徳氏はこう話す。思い描くのは、「AI・デジタルといえばNTT」という新たなイメージの構築だ。NTTはB2B2Xビジネス等を通じて、顧客のDXを推進するという目標を掲げている。「目標を達成するには、事業そのものを変革する必要がある。社員をリスキリング(再教育・再開発)して、AIやデジタル領域に人員をシフトしなければならない」と染井氏は強調する。

 

NTT 技術企画部門 イノベーション戦略担当 担当課長 染井隆徳氏
NTT 技術企画部門 イノベーション戦略担当 担当課長 染井隆徳氏


課題設定・解決できる人材を育成その具体策の1つが「AI工場」だ。グループ各社のDX推進やB2B2Xモデルのための人材を育成し、さらに実践していくためのグループ横断のプロジェクトである(図表1)。

 

図表1 AI工場サブワーキンググループの全体像

図表1 AI工場サブワーキンググループの全体像

 

NTTは、知識や経験などのレベルに応じて、AIを主体とするデータ活用人材を次の3種類に分類して育成している。DXビジネスの成功に向けた専門家・リーダーである「専門人材(エッジ)」、ビジネスの企画立案・推進・実行の当事者である「中核人材(コア)」、「入門人材(ベース)」だ(図表2)。

 

図表2 人材定義(高度デジタル人材)

図表2 人材定義(高度デジタル人材)

 

従来は、事業会社ごとに人材育成やスキル認定の体系を構築してきた。しかし、「技術やビジネスで共通する部分も多く、グループ内の最適化を図るため、横串を通して共通化した」とNTT 総務部門 人事・労働担当 担当課長の井上智由氏は言う。

 

NTT 総務部門 人事・労働担当 担当課長 井上智由氏
NTT 総務部門 人事・労働担当 担当課長 井上智由氏

 

B2B2Xビジネスを拡大していくうえで、特にカギを握るのが中核人材だ。

デジタル人材あるいはDX人材の定義は企業によって異なる。デジタルに関する知識を学んだだけで、「専門人材」として扱っているケースも少なくない。これに対し、「NTTでは顧客企業のビジネスにおける課題を設定し、AIやデジタルを使って解決できる人材を一般的なデジタル人材と区別し、高度デジタル人材である中核人材と定義している」と染井氏は説明する。

NTTの澤田純社長は2021年12月、高度デジタル人材を2023年度までに現状の4倍、2400人に増やす計画を明らかにした。

「実践の経験がなければ、お客様の課題設定はできない」と染井氏。AI工場は、実践を通じてアジャイルで課題解決に取り組むことで、中核人材を育成する場としての役割も担っている。

NTTグループではこれまでシステムごとに個別最適化し、課題解決を図るケースが多かった。しかし、AI工場の目指す姿は違う。企業内の事業部間や企業間、業界間をまたいだ横断データによって新たな価値化による真の課題解決を狙う。NTTグループ自身のDXに取り組みながら、それで得たノウハウを電力やガスなど他のインフラ業界や公共業界、不動産業界などに広く展開することで、他社のDXも成功に導いていきたいという。

例えば、デジタルツインを下地とし、その上に様々なデータを重畳、分析、活用することで高所作業の安全支援や設備情報の可視化、設備点検の自動化、コンシューマー向けのデジタルマーケティングなどの新たな価値化にAI工場では取り組んでいる。

こうしたデジタル活用に先進的に取り組んでいる現場へ、OJTを目的に中核人材を配置するグループ横断の人材交流も始めているという。

 

NTTの「AI工場」では、デジタルツインを活用した新たな価値化に取り組んでいる(写真は人のデジタルツイン)
NTTの「AI工場」では、デジタルツインを活用した新たな価値化に取り組んでいる(写真は人のデジタルツイン)

 

  • Teitter
  • facebook
  • 印刷

スペシャルトピックスPR

MI2204
nttdata2204
junipervideo01

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション[徹底解明]5G SAとWi-Fi 6E
               企業ネットは新時代へ

<Part1> 
5GはSAでどう変わるのか? <Part2> 国内キャリアの5G SA戦略
<Part3>
5G SA企業活用は映像から <Part4> 端末視点で見るSAの進化
<Part5>
Wi-Fi 6Eの性能や注意点 <Part6>6E時代の無線LAN選び
<Part7> 残る700MHz幅の行方 ほか

インタビューエリクソン・ジャパン 代表取締役社長 野崎哲氏「オープンRANの課題解決に寄与」【新連載】10年後のネットワークを創る研究者たち 【ビジネス最前線】JTOWERのローカル5G戦略 ほか

>>詳しい目次を見る

スペシャルトピックス

ジュニパーネットワークスWi-Fi 6E×AIで超効率ネットワーク 無線からWANまでクラウドシフト
ジュニパーはWi-Fi 6E時代に向けて、NW運用をAIとクラウドで効率化!
UniFiWi-Fi 6のライセンス費用がゼロに UniFiならコスパ抜群・簡単管理
圧倒的なコスパと手軽さで、オフィス、学校、工場、病院らが採用
日本マイクロソフト走り出した「5G網をAzureへ」計画
クラウド移行でキャリアは何を得るか

AT&Tの5GコアのAzure移行の狙いと進捗状況をマイクロソフトに聞いた。
ローデ・シュワルツ強みのミリ波技術で6G開発に貢献 1THz対応受信器もラインナップに
ローデ・シュワルツが得意のミリ波技術で6Gへの取組を強めている。

モバイル空間統計が直面した困難「ビッグデータのプライバシーを守れ」<連載>NTTグループのプロフェッショナルたち
モバイル空間統計が直面した困難「ビッグデータのプライバシーを守れ」
NTT Comサイバー攻撃事件の舞台裏「侵入者は対策メンバーのアカウントにもなりすましていた」<サイバーセキュリティ戦記>
NTT Comサイバー攻撃事件の舞台裏

「侵入者は対策メンバーのアカウントにもなりすましていた」
セイコーソリューションズ近づくISDN終了 ワンストップの移行サービスが登場

ハードウェアを設置するだけ!ISDNからIP網への移行をフルサポート。

AirREAL-VOICE2簡単操作でマイグレーション実現
データ通信だけでなく通話・FAXも

アダプターの入替だけで移行が完了するMIの音声対応LTEルーター

NTTデータINSネットの後継ならお任せ!
移行で伝送時間短縮や負荷軽減

INSネットからの失敗しない移行方法をEB/FBの種類別に紹介しよう。

Wi-SUN AllianceWi-SUN認証デバイスが1億台突破
日本発の世界標準規格の普及加速

2.4Mbpsへの高速化など新たな進化も始まっている。

エヌビディアNTTとLINEが牽引する日本の自然言語処理、この2社がリーダーである理由

3月21日から開催の「NVIDIA GTC 2022 Spring」で知ろう!

IoT用のSIMはきめ細かに管理する!
閉域網、帯域確保で安定・安全通信

スマホでおなじみの「mineo」が、IoTでも利用を拡大している。

NEEDLEWORK(ニードルワーク)ネットワークテストの負担から
SIerを解放する自動化製品!

200時間の作業が数10秒の例も!
テストの品質向上にもお勧めだ。

フォーティネット5G特有の脅威に備え、セキュアで柔軟なローカル5G・プライベート5G

ローカル5G・プライベート5Gではセキュリティリスクへの対処も必要だ。

Alkira4か月かかるクラウド接続を1日で!

DX時代に欠かせないマルチクラウドネットワークの一元管理が、Alkiraなら内製でも容易に実現可能

IoT Connect Mobile Type S柔軟なIoT回線で閉域にも大容量にも
IoTの「分からない」を一緒に解決

ユーザーの要望に合わせて柔軟にプランを選択できる!

ホワイトペーパー

アクセスランキング

tc202012

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2020 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます
当ウェブサイトはCookieを使用しています。閲覧を続ける場合、プライバシーポリシーに同意したことになります。