IIJからLoRaWAN対応のため池用水位センサーと静止画カメラ 

IIJは、農林水産省が推進する農業農村における情報通信環境の整備に取り組む市町村等の自治体や土地改良区向けに、ため池や用水路など水利施設の水位を遠隔監視・管理するセンサーおよび目視監視用静止画カメラを開発し、2021年1月5日より提供を開始する。

省電力で電波伝播距離が広範囲な無線技術LoRaWANに対応しており、無線基地局に複数のセンサーを接続して地域で共同利用する仕組みも併せて提供する。

「圧力式センサー(LP-01-L)」は、水田用水位センサーの技術を応用したもので、用水路の水位を60cmまで1cm単位で測定できる。台風や豪雨時に現場に行く必要がなく、用水路の水管理をスマートフォンやタブレットなどのデバイスで確認できる。水位のほか水温のデータも管理が可能。価格は5万1000円。


圧力式センサー(LP-01-L)

水深10mまでのため池や大型用水路向けの「冠水センサー(LP-01-F)」は、フローティング方式のセンサーを用いており、最大3段階までの水位を遠隔で計測することができる。単3電池で約1年稼働する。価格は15万1525円。


冠水センサー(LP-01-F)

「LoRaWANカメラ」は、作物の生育や設備の監視等、目視監視が必要な対象物を定点観測できる静止画カメラ。10分間隔で静止画を撮影し、画像を送信する。LoRaWANは大容量データの送信に不向きだったが、データを超高圧縮し分割転送することで、画像送信を可能にした。通信費を抑えて目視監視ができ、用途に応じて暗視撮影や高解像度画像の撮影にも対応できる。価格は15万円。


LoRaWANカメラ

これらのセンサーやカメラはLoRaWANに対応しているため通信コストを大幅に抑えられ、安価なランニングコストで運用できる。また、多様なセンサーで同じ通信インフラ(基地局)を共有することで、水利施設の管理以外にも、施設園芸、見守り、防災システムなど多用途に展開することが可能となる。

IIJは、自治体や土地改良区が地域で通信インフラを整備する際、適切なエリア設計やシミュレーションなど、導入に向けた具体的な課題解決や無線基地局の整備設計についても支援する。


提供例

なお、サービス利用料金の参考価格は以下の通り。

・センサー5台+基地局1台の場合:年額利用料3万円、センサー1台あたり年額6000円
・センサー50台+基地局2台の場合:年額利用料6万円、センサー1台あたり年額1200円
・センサー100台+基地局3台の場合:年額利用料8万5000円、センサー1台あたり年額850円

年額利用料はいずれも概算。センサーの台数および無線基地局の台数によってサービスの利用料金は変わり、別途初期費用や施工費用などが発生する。

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