ポストコロナに向けて迫られる戦略の転換──IDCが国内NW仮想化/自動化プラットフォーム市場シェア

IDC Japanは2020年9月3日、国内ネットワーク仮想化/自動化プラットフォーム市場に関する2019年のベンダーシェアを発表した。これによると、2018年度に引き続き、ヴイエムウェアとシスコシステムズが同市場をリードして売上・シェア共に伸ばしたことが判明した。

IDCでは、ソフトウェアライセンスである「NVO Software(Network Virtualization Overlay Software):ネットワーク仮想化オーバーレイソフトウェア」と「SDNコントローラーアプライアンス」の2つの市場で調査を実施している。

NVO市場ではヴイエムウェアの仮想化製品群「VMware NSX Datacenter」をすでに導入している顧客が、これまでの実績と導入効果を評価し、新たなデータセンターへの展開やプラットフォーム更新時に導入を拡大しており、これが成長に繋がった。同社はNVO市場で76.9%の売上額シェアを達成している。

SDNコントローラーアプライアンス市場では、データセンターネットワーク向けの「Cisco ACI」と企業ネットワーク向けの「Cisco DNA Center」の2本柱が売り上げを伸ばし、66.7%とシェア拡大に寄与した。

国内NVOソフトウェア市場、コントローラーアプライアンス市場
ベンダー別 売上額シェア (2019年)

データセンターネットワークでは、拡張性や柔軟性、迅速性を高めるIPファブリックやEVPN(Ethernet VPN)-VXLAN(Virtual eXtensible LAN)の活用が進んでいる。その中では、レイヤー3ファブリックにいち早く取り組んできたアリスタネットワークスが存在感を高め、さらにはIPファブリック/EVPN-VXLAN構築、運用に特化したアプストラのような専業ベンダー登場してきている。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大は、企業の働き方やオフィスに対する考え方を急速に変えた。IDC Japan コミュニケーションズのグループマネージャーである草野 賢一氏は「ネットワーク仮想化/自動化ベンダーは、ポストコロナで見込まれるクラウドシフトの加速やリモートワークの常態化に適合したネットワークの姿を描き出すべきである。そして、『クラウド中心』『リモートワークとオフィスに同等のセキュリティと快適性』を、ネットワーク仮想化/自動化ソリューションがどのように実現できるのかをいち早く市場に打ち出すことが求められている」と述べている。

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