企業ネットワーク最前線

<シリーズ>キャリアネットワークのメガトレンド

キャリア網の“機能分離”と“オープン化”

文◎坪田弘樹(編集部) 2019.07.16

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

キャリア網を構成するネットワーク機器といえば、これまでは垂直統合型の重厚長大な装置がほとんどだった。これを分解し、オープン化する動きがコアネットワーク全体に広がりつつある。

SDN/NFV技術の普及は、キャリアネットワークの仮想化やオープン化を促進してきた。従来は一体型で提供されていたネットワーク機器をハードウェアとソフトウェアに、あるいは機能ごとに分解し、オープンなインターフェースで制御できるようにすることで、柔軟かつ迅速な構成変更や、コンポーネントごとの個別調達、機能追加などを可能にするのが目的だ。

このディスアグリゲーション/オープン化が先行してきたのは、ルーターやスイッチ等で構成されるIPパケット転送の領域だ。コントロールプレーンとデータプレーンの分離や、ハード/ソフトの分離と仮想化が進展。最近では、ホワイトボックススイッチ等の汎用ハードウェア上でオープンソースのネットワークOSを稼働させる、キャリア自ら新機能を開発して運用するといった取り組みも始まっている。

領域ごとに異なる「バラし方」この動きは他の領域にも広がっている。「ルーター/スイッチ、光伝送、RAN(光アクセスネットワーク)の各ドメインで同時多発的に起こっている」と話すのは、シスコシステムズ GSPSPネットワーキング アンド クラウドアーキテクチャ コンサルティングシステムズエンジニアの児玉賢彦氏だ。

シスコシステムズ GSP SPネットワーキング アンド クラウドアーキテクチャ コンサルティングシステムズエンジニア 児玉賢彦氏
シスコシステムズ GSP SPネットワーキング アンド クラウドアーキテクチャ
コンサルティングシステムズエンジニア 児玉賢彦氏



その“バラし方”と進行度は、ドメインごとに異なる。

ルーター/スイッチの領域ではエリクソンやノキア、シスコといった有力ベンダーも含めて機能分離が進行した。例えば、NTTドコモは2016年からマルチベンダーによる仮想LTEネットワークを運用。NTTコミュニケーションズも、SDNによるネットワーク制御の領域をデータセンターからWANに拡大しようとしている。

一方、ソフトウェアが担う部分が少ない光伝送では、ハードウェア内での機能分離が始まっている(図表1)。これにより、光伝送システムを構成するトランスポンダー※1やROADM※2等のコンポーネントを分離し、技術進化の早いトランスポンダーだけを取り替えるといった柔軟な運用が可能になる。

オープンコミュニティのONF(OpenNetworking Foundation)で、光伝送の機能分離を推進するプロジェクト「Open and Disaggregated Transport Network(ODTN)」を主導するNTTコミュニケーションズ 技術開発部 担当部長の柏大氏は、「新しい技術や機能をすぐに使えるようにすること、パーツの選択肢を増やして使い方に応じて変えられるようにすることが狙い」と語る。

※1:トランスポンダー
受信信号の中継送信や電気/光信号の相互変換等を行う中継機

※2:ROADM
光信号の挿入や分岐を行う多重化システム

 

図表1 トランスポートネットワークのディスアグリケーション
図表1 トランスポートネットワークのディスアグリケーション



また、マルチベンダーで構成されたトランスポートネットワークを、SDNコントローラーからオープンなインターフェースを介して制御できるようにすることで、IPパケット転送との統合制御や、コアネットワーク全体でのコスト最適化、運用効率化が図れるようにもなる。
続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

スペシャルトピックスPR

extreme1906
nttcom1906sp
saxa1906

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】5G時代のエッジ革命
 <Part1> 楽天の5G×MEC革命  <Part2> スマートシティとエッジコンピューティング <Part3> エッジコンピューティングでクルマはどう進化する? <Part4> ローカル5Gと相乗効果も  製造業で進むエッジ活用 <Part5> 五感をエッジデータ化  ヒト視点のエッジコンピューティング <Part6> エッジ運用の課題と対策  <コラム> 5GでエッジAIはさらに進化する

●[インタビュー] サイバーディフェンス研究所 名和利男氏「5Gへの攻撃で国家に大打撃  DX時代は通信がアキレス腱」 ●Wi-Fi 6の使い道を徹底解説 ●セキュリティ人材不足はシェアして解消 ●ビル制御システムはNWで守る ●見えてきた“90GHz帯”5Gの可能性 ほか

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー

スペシャルトピックス

エクストリーム ネットワークス5万人利用のNWをわずか2名で運用
IT管理者に嬉しいWi-Fi 6対応AP

エクストリームのWi-Fi 6対応APならAI自動RF管理など機能が満載だ。

ネットスカウトシステムズNWを隅々まで可視化してDDoS対策
ボリューム型もL7攻撃も防ぎ切る!

世界最大級の監視システムATLASで全世界のDDoS攻撃を防ぎ続ける!

Synology話題の「メッシュWi-Fi」を選ぶならSynology

ハード性能に加えてソフト機能も充実! ビジネスにも活用できる。

Cloudian HyperStore企業のGDPR遵守を強力サポート!
EB級ストレージを安価に自社構築

Amazon S3と同等のオブジェクトストレージを自社で構築・運用できる

NEC UNIVERGE SVシリーズクラウドとの連携を容易に実現!
新NEC UNIVERGE SVシリーズ

新端末を組み合わせることで、通話にとどまらない充実した機能

インテルキャリア網もクラウドネイティブへ
5G革命を推進するインテル

インテルが5G時代の新NW実現に向けた取組みを加速させている。

エクストリームネットワークスWi-FiとIoTをAIが自動で管理
10万人のスタジアムに搭載

「Smart OmniEdge」がネットワークエッジのトラブルから解放する!

NTTコミュニケーションズeSIMを本格提供! 垂直統合で企業のIoT活用を支えるNTT Com

国内MVNO初のリモートプロビジョニング対応eSIMサービスも提供開始

サクサキャリア網の利用で高い通話品質
スマホ2台までお試し導入も!

サクサのビジネスホンなら、スマホ内線が途切れない! 使い勝手も◎!
NTTコムウェアスマホ内線で高い通話品質を実現!

交換機開発のノウハウを活かしたNTTコムウェアのクラウドPBXは、高い安定性や優れた通話品質が特徴

アクセスランキング

tc1904

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2018 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます