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「数年後に営業利益倍増」、ソフトバンクがDX支援を軸にした法人事業戦略を発表

文◎坪田弘樹(編集部) 2019.07.03

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ソフトバンクが2019年7月2日、法人事業戦略説明会を行った。IoT/AI等の先端技術を活用して、日本の企業と社会が抱える課題を解決するソリューション提案に特化した新組織「デジタルトランスフォーメーション本部」の設立を発表。その活動を軸に、宮内社長は「数年後に営業利益倍増を目指す」とした。


約3000人の営業リソースを抱えるソフトバンクの法人事業。代表取締役 社長執行役員兼CEOの宮内謙氏は、この法人事業こそがソフトバンク成長の原動力だとしたうえで、顧客企業のデジタライゼーション(デジタル化)を支援するためのソリューション提供に注力する考えを強調した。特に、労働人口の減少や自然災害、交通渋滞といった社会課題の解決につながるソリューション開発に力を入れるという。


これまでの製品・サービス販売から、企業の課題解決を軸とした事業へ転換する


武器は、IoTやAI、ロボティクスといった先端技術だ。「デジタライゼーションは社会課題の解決につながる。これを日本の企業と共に推進していくのがソフトバンクの一番の狙いだ」とした。今後数年で「営業利益を倍増できる」という。

これを実現するためのドライバーが「共創」だ。続いて登壇した代表取締役 副社長執行役員兼COOの今井康之氏は「社会課題の解決はソフトバンク1社ではできない。各産業のキーパートナーと共創していく」と語った。加えて、IoTやAI技術を活用したデジタル化の取り組みは今やあらゆる産業界に広がっているが、そこで通信事業者が果たす役割の重要性が増しているとも指摘した。



ソフトバンク 代表取締役 社長執行役員兼CEOの宮内謙氏(左)と、
代表取締役 副社長執行役員兼COOの今井康之氏


理由は、どの業界のビジネスにおいても、サブスクリプションモデルへの変化が進行していることだ。「B2B2Cモデルが主役になってくる」(今井氏)今後のビジネスにおいて、「コンシューマ向けビジネスも兼ね備えた通信キャリアの果たす役割が増えてきている」という。

具体的には、IoTデバイスとネットワークを活用したデータ収集から分析/解析、さらには決済・課金まで、デジタル化に必要な機能を網羅したプラットフォームを保有していることを強みに挙げた。今井氏はこれに関し、「Yahooを子会社にできたことは大きい」と話す。このプラットフォームを、ソフトバンクユーザーに限らず「マルチキャリアのお客様に展開」するうえでYahooは大きな役割を果たすと強調した。



「共創」の基盤となるデジタルビジネス プラットフォーム

DX事業に専念する「120人の新組織」

ソフトバンクではこれまで2年をかけて、このビジネスを推進する体制づくりも進めてきた。2017年10月に、法人営業のトップパフォーマーなど、社内選りすぐりの120名で組織するデジタルトランスフォーメーション本部(DX本部)を設立。今井氏は「日本の社会課題に対峙することがDX本部のミッションであり、ソフトバンクの次の柱になる事業となり利益を上げていく部隊になる」と話した。



その本部長を務める河西慎太郎氏によれば、DX本部ではすでに35のプロジェクトを進めており、「2020年度までに17案件が収益化する予定」だ。特に小売・流通、不動産・建設、サービス・観光、ヘルスケアの4領域に注力していくという。



DX本部 本部長の河西慎太郎氏


説明会では、具体的な案件も紹介された。物流業界の人手不足や再配達問題などを解消するためのソリューション開発をイオン九州と共に進め、実証実験を行っているという。河西氏は、物流業界の課題は多様な産業に悪影響を及ぼし「ビジネスの成長を鈍化させている」と指摘。これを解消することで社会課題の解決につなげたいとした。

イオン九州との協業では、ネットスーパーの商品配送業務の効率化に取り組んでいる。2019年6月から、イオンショッパーズ福岡店において注文品の夜間配送の実証実験を開始。CBCloudが提供する配送マッチングサービス「PickGo」を使い、荷量に応じて必要な車両数を手配することで22時以降の配送需要に対応する。今後は日中帯の配送マッチングや、他エリアへの拡大も進める計画だ。



配送業務の需給マッチングにより、配送コストの削減、機会損失の低減を目指す


DX本部では、このような物流業のラストワンマイルの効率化のほかにも基幹配送のマッチング、受け取り方の多様化を実現するソリューションの開発にも取り組んでいるという。将来的には、それらを組み合わせた物流プラットフォームを提供し、「ドローンやロボット、自動運転による配送サービスも、このプラットフォームから提供したい」と河西氏は展望した。

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