シーゴ、I/O仮想化コントローラの「イーサネット対応版」を発売

I/O仮想化コントローラを提供するシーゴシステムズ・ジャパンが、イーサネット対応の新製品を発売した。“アダプタなし”で既存サーバーのイーサネットポートからのファブリック接続が可能になり、クラウド環境の構築がより容易になるという。

I/O仮想化コントローラを提供するシーゴシステムズ・ジャパンは2010年9月15日、既存サーバーのイーサネットポートに直接接続してI/O仮想化を実現できる新製品「Xsigo VP560 イーサネット」「Xsigo VP780 イーサネット」の販売を開始した。

業界初の「アダプタフリーなI/O仮想化」

「I/O仮想化コントローラ」とは、サーバーのI/O(データの入出力)を集約してI/Oリソースを仮想化するための専用ハードウェア。多数のサーバーのI/Oを集約し仮想化することで、ネットワークやストレージ機器間接続の配線や運用管理を簡素化し、システム障害を低減したり、I/O拡張にかかるコストを削減できる。I/O仮想化ソリューションには、HPやIBMといったサーバーベンダーが自社製品の機能として提供しているものなどがあるが、シーゴシステムズのI/O仮想化コントローラーは、サーバーベンダーが混在する環境でも使える「独立型」である点を大きな強みとしているという。

米Xsigo Systems事業開発担当副社長のS.K.ビノッド氏と、新製品「Xsigo VP560 イーサネット」。イーサネットポートへの直接接続に対応したことで、I/O仮想化の設定が「わずか数分で完了できる」という。

同社は従来、サーバーのクラスタリングや外部ストレージとの接続などに用いられるインフィニバンドに対応し、20Gbpsでの通信が可能な製品「Xsigo VP560」「Xsigo VP780」を販売していたが(参照記事)、新製品では、標準イーサネットポートへの直接接続に対応した。高速通信用のアダプタを介さず、直接、サーバーが備える
イーサネットポートに接続して10Gbpsまたは1Gbpsの通信が可能になる。ユーザーは、既存サーバーが備えるイーサネットポートを介して、容易にサーバーとストレージやネットワークとのファブリック接続が可能になり、クラウド環境を低コストで構築できるという。同社によれば、この“アダプタフリー”の製品は業界初。米Xsigo Systems事業開発担当副社長のS.K.ビノッド氏は、「他社のI/O仮想化とはまったく異なる。現在使用しているサーバーにケーブルを差してドライバをインストールするだけで、ほんの数分で設定が完了できる」と新製品をアピールした。

「アダプタフリー」による効果(クリックして拡大) イーサネット対応版のほか、インフィニバンド対応の広帯域版も発売する(クリックして拡大)

また同時に、インフィニバンドポート対応製品の拡充も行った。従来は20Gbpsのポート帯域に対応していた「Xsigo VP560」「Xsigo VP780」について、40Gbps対応版を発売。イーサネット対応の新製品と同様、9月15日から販売を開始した。現在、1台の物理サーバー上で稼動させる仮想サーバー数が増加しており、そうした高パフォーマンス、大規模システムへの要望も含め、広範なラインナップで幅広いクラウド構築ニーズに応えていきたい考えだ。

ラインナップの充実により、多様なニーズに応える(クリックして拡大)

なお、今回発売した新製品の主な仕様と希望小売価格は下記の通り。
【イーサネット対応版】
サーバーポート/ポート数:32イーサネットポート、ポート帯域:10Gbps(1Gbpsにも対応)
●「Xsigo VP560イーサネット」(525万円~):高さ 2U、I/Oモジュールスロット数 4
●「Xsigo VP780イーサネット」(675万円~):高さ 4U、I/Oモジュールスロット数 15
【40Gbps対応版】
サーバーポート/ポート数:20インフィニバンドサーバーポート、ポート帯域:40Gbps
●「Xsigo VP560イーサネット」(525万円~):高さ 2U、I/Oモジュールスロット数 4
●「Xsigo VP780イーサネット」(675万円~):高さ 4U、I/Oモジュールスロット数 15

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