SD-WAN/LAN活用術(前編)SD-WANは「コスト削減」ではなく「QoE向上」を目指せ!

2017年度はいよいよ企業WAN/LANへのSDN導入が本格化しそうだ。“使いどき”を迎えたSD-WANとSD-LANのユースケースを整理し、導入効果を高めるためのポイントを探る。前編では、まずSD-WANの活用術をお届けする。

かつて、ネットワーク構築・運用にまつわる諸課題を何でも治す“万能薬”のように語られがちだったSDN(Software-Defined Networking)だが、現在では用途も絞り込まれ、ベンダーの動きも、企業が抱える具体的な課題にフォーカスしてソリューションを提供するかたちに変わってきている。

加えて、中堅中小企業向け、IoT向けなど新たな市場をターゲットとする低価格なSDN製品も増え始めている。そこで、中堅中小企業を顧客に持つSIerがSDNソリューションを売る、製造・流通といった特定業種に強いベンダー/SIerがIoTソリューションの中にSDNを組み込むといった動きも活発化しそうだ。

本稿では、WAN向けの「SD-WAN」、LAN向けの「SD-LAN」それぞれの使い方と導入効果を整理する。まずはSD-WANから見ていこう。

SD-WANの3つのメリットSD-WANはどう使えばいいのか。複数の成功事例から、確実に効果を上げるためのポイントを探っていこう。

SD-WANは、MPLSやインターネット、LTE等の物理回線を組み合わせて用い、その上で柔軟にオーバーレイ型の仮想ネットワークを構築するものだ。ユーザーは特定の通信キャリアに縛られず自由に回線を選び、必要な性能・帯域を持つWANを構成できるようになる。

これにより、高価なMPLSからインターネットに移行してコストを削減したり、複数キャリアを併用して可用性を高めることが可能だ。また、各拠点に設置するCPE(宅内通信機器)の設定変更を一元的に行えるので、運用負荷も軽減できる。

すなわち、次の3つが基本的なメリットになる。(1)回線コストの削減、(2)可用性の向上、(3)運用負荷の軽減だ(図表1)。

図表1 SD-WANの効果
図表1 SD-WANの効果

月刊テレコミュニケーション2017年4月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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