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電波開国――ワイヤレス大国 ニッポンの転機[第3回]

【1.7GHz帯】150Mbps LTEが初実現!?~イー・モバイル、ドコモに大きなメリット

文◎藤井宏治(IT通信ジャーナリスト) 2011.03.18

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10MHzが加わり合計20MHzとなる1.7GHz帯割当枠は、イー・モバイルとドコモが分け合いそうだ。イー・モバイルはグローバル端末の調達容易化、ドコモはLTEの150Mbps化の早期実現というメリットを得る。

900MHz帯で先行利用される10MHz幅の獲得をソフトバンクと競うイー・モバイルには、今回もう1つ、取得の可能性の高い帯域が浮上してきている。「再編アクションプラン」で「2012年中に確保できるよう調整を進めるべき」とされた1.7GHz帯の10MHz幅である。

総務省はこの10MHz幅を1.7GHz帯のどこに設定するかを明確にしていないが、帯域の利用状況を考慮するとイー・モバイルが割当を受けている15MHz×2(30MHz幅)の下方の隣接帯域5MHz×2(10MHz幅)が有力と見られる(図表)。

 

図表 1.7GHz帯の追加割当 [クリックで拡大]
図表 1.7GHz帯の追加割当


追加される帯域はW-CDMA/HSPA1波分と決して広くはないが、この割当は1.7GHz帯を利用するイー・モバイルとNTTドコモの事業展開に意外に大きな影響を及ぼす可能性がある。

東名阪バンド争奪戦の解決策

1.7GHz帯は、2GHz帯のTDDバンドとともに05年に移動通信に開放された周波数帯だ。1.7GHz帯では全部で35MHz×2(70MHz幅)が移動通信用の帯域となったが、このうち15MHz×2は「新規参入事業者枠」として05年に5MHz×2を単位として最大3社に割り当てる方針が打ち出された。

ところが実際に免許を申請したイー・モバイルとソフトバンク(BBモバイル)の2社のうちソフトバンクはボーダフォン日本法人の買収に伴い帯域を返上、この帯域で新規参入を果たしたのは07年開業のイー・モバイルのみとなっている。

イー・モバイルは、LTEなどの次世代システムの導入を目的に09年に行われた新たな周波数割当で、この「新規参入枠」で未配分となっていた10MHz×2の割当を受け、保有帯域を計15MHz×2としている。現在そのうち10MHz幅が使われており、2010年12月に同社はこの10MHz幅で、DC-HSDPAによる42Mbpsの高速データ通信サービスの提供を開始している。

この「新規参入枠」以外の20MHz×2は利用可能な地域が関東・甲信越、東海、関西地区に制限されていることから「東名阪バンド」と呼ばれ、3Gユーザーの加入者数に応じて5MHz×2単位で割り当てられている。800MHz帯の再編に伴いPDCの3Gへの巻き取りを本格化させたドコモが06年から08年にかけ計15MHz×2を取得済みである。

イー・モバイルも主力のPC向けデータ通信サービスのトラフィック増大に対処するために東名阪バンドの取得を望んでいたが、その取得条件(当初は加入者数250万。新帯域の取得に伴い現在は750万が条件)は同社にとってかなり厳しく、このルールによる取得はできていない。

そこで、同社は08年に開かれた次世代システム向け帯域の割当に向けたヒアリングで、他の携帯電話事業者がすべて2GHz帯に20MHz×2の割当を受けており、LTEの最高スペック下り最大150Mbpsのデータ通信に対応できることを指摘。公正競争の観点から新規事業者枠の10MHz×2だけでなく、東名阪バンドの未割当分5MHz×2をイー・モバイルに割り当て、連続した20MHz×2が確保できるようにして欲しいと訴えた。この主張は一定の影響力を持ったと見られ、ドコモは東名阪バンドの未割当分5MHz×2については割当条件を満たした後も申請を見送っている。

だが、2010年6月に開かれた周波数検討WGのヒアリングで、ドコモは改めてこの帯域の「可及的速やかな割当」を要望した。スマートフォンの本格展開に伴いトラフィックの急増が見込まれることが、その大きな理由だ。

冒頭の10MHz幅の新規割当は、こうした2社の主張の落とし所としての意味を持つと考えられる。イー・モバイルとドコモの双方が5MHz×2を得て、1.7GHz帯の帯域幅を20MHz×2にすることができるからだ。

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