東大・ソフトバンクらが「次世代AI都市」の研究開発、小田急線海老名駅周辺で開始

東京大学、ソフトバンク、小田急電鉄およびグリッドの4者は2021年4月28日、東京大学とソフトバンクが行うBeyond AI 研究推進機構の研究テーマの1つとして、小田急線海老名駅と周辺施設を対象に、来訪者の行動変容を促す人流誘導アルゴリズムを実装する「次世代AI都市シミュレーター」の研究開発を開始すると発表した。


「次世代AI都市シミュレーター」のイメージ

仮想空間に現実世界を再現するデジタルツインを活用して、デジタル空間上に小田急線海老名駅と周辺エリアを再現し、人流・交通・購買・来訪者の属性などのデータを使って、人々の流れや行動を可視化・予測するシミュレーションを行う。なお、海老名駅の1日の平均乗降客数は10万人を超える(2020年度)。

これに基づき、実際に、来訪者のスマートフォンアプリへの各種情報の通知やクーポンの発行、施設内のデジタルサイネージでの情報表示などを実施。これにより、人々の行動変容を促し、混雑緩和と購買促進の両立、交通の最適化、災害時の避難誘導などに関わる技術を開発し、社会実装を目指すとしている。

なお、開発環境の構築は、デジタルツインや、それを活用した都市の最適化技術を有するグリッドが行う。データの処理基盤は、Vantiqが提供するイベント・ドリブン型アプリケーション開発プラットフォーム「Vantiq」を使用する。


研究対象予定エリア

研究期間は2021年4月から2022年9月まで。4者がスマートシティに関する知見を生かし、下記の役割分担により産学連携で研究開発を進める。

●東京大学:人流誘導アルゴリズムの開発。東京大学Beyond AI研究推進機構 田中 謙司准教授および東京大学大学院工学系研究科 坂田 一郎教授による先進的な人流誘導の研究の知見を提供

●ソフトバンク:「次世代AI都市シミュレーター」全体の設計・開発。スマートシティ開発の実績など、最先端テクノロジーや事業化に関する知見・ノウハウを提供

●小田急電鉄:MaaSの先駆的取り組みや、職、住、商、学、遊の生活シーンなどに貢献する沿線まちづくりを推進する中で得た豊富な知見を提供

●グリッド:社会インフラを中心としたデジタルツインの実現、最適化の実績による知見を生かし、研究開発環境を構築

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