NTTコミュニケーションズは2020年12月17日、同社が内製開発した高速ソフトウェアPCルーター「Kamuee(カムイー)」のソフトウェア使用許諾契約を、創夢（本社：東京都渋谷区）と締結したと発表した。創夢は2020年12月28日から、Kamueeをベースとした商用高速ソフトウェアPCルーター「Eenow（イナウ）」を提供開始する。

Kamueeは研究開発用の高速ソフトウェアPCルーターで、Interop Tokyo 2018やInterop Tokyo 2019、さっぽろ雪まつり2020などに導入して、実証実験を成功させてきた。その技術をベースに、創夢が商用高速ソフトウェアPCルーターのEenowを商用サービス化する。

Eenowの最初の案件として、2020年12月28日から、岡山理科大学の学内ネットワークに導入する。

岡山理科大学は、インターネット上の全ての経路情報を高速に処理できる高機能で安価なコアルーターの導入を検討しており、市販コアルーターの調達も並行して検討しながら、高速ソフトウェアPCルーターの可能性についても調査を進めてきた。2018年10月からNTT Comと学内ネットワークの一部にKamueeを導入する実証実験を開始し、実用性の検証を行ってきたという。

その結果、IPv4/IPv6デュアルスタックのフルルートを扱うことができること、安定的な運用が可能であることが実証できたことから、Kamueeに保守サービスを付加したEenowの導入を決定した。

今後、創夢は学術系やエンタープライズなどの顧客に対し、Eenowを販売していく。また、NTTコムはフルルート処理能力の向上や、ACLの対応、セキュリティ機能向上など、Kamueeのさらなる機能拡充、技術革新を進めるとしている。